幻冬舎メディアコンサルティングは、人生最後の究極のテーマ、「誰にも迷惑をかけず幸せに死ぬ」ことを説いた一冊、『自立死』を発行した。
元来、日本人の基本的道徳は「人様に迷惑を掛けない」ではなかっただろうか。ところが、現代の医療という視点で見ると、高齢者は無理やり生かされ、そこに費やされる医療費が日本経済を崩壊に導いているともいえる状況だ。
せんぽ東京高輪病院の院長であり、浄土宗松光寺の住職である著者・与芝真彰氏は、家族、あるいは医療システムの都合によって、「無理やり生かされている」ともいえるような高齢の患者たちを見るにつけ、疑問を感じていたという。「食事も排泄も他人に依存し、人間としての尊厳を失いながら、それでも生に縛り付けられている」。
さらに、自らも高齢者の一人という著者は、「今の高齢者は他人の迷惑に鈍感な気がする」と、同じ高齢者に対しても厳しい目を向ける。「そろそろ高齢者が、日本人の旧来の道徳を、身をもって示すべき時ではないかと思う」と説いている。
同書は、著者が医師として今の高齢者の置かれている現状を分析し、僧侶として高齢者が幸せな死を迎えるために必要な「知恵と慈悲」について考えさせてくれる、貴重な本だ。
■書名:『自立死』
■目次:
第1章 延命を求めるのは自分自身か、それとも家族か?(病院で無理やり生かされる高齢者たち、延命治療が進歩した長寿国・日本 ほか)
第2章 過保護なわが国の高齢者とその弊害(人口減少と少子高齢化がもたらす危機、少子化をもたらしている元凶は「高齢化」!? ほか)
第3章 平穏に大往生を遂げるための知恵(「知識」より「知恵」のほうがはるかに価値がある、父の影響を受け、医師を目指す ほか)
第4章 死に向けて自立した生を歩む方法(家族制度の崩壊は取り戻せない、できるところまで「自立」の道を探る ほか)
■著者:与芝真彰
■定価:777円(税込)
■仕様: 新書/179ページ
■発行:幻冬舎メディアコンサルティング
◎幻冬舎メディアコンサルティング
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