9月12日付の新聞等の報道によると、10日午前、東京都葛飾区の区営高齢者集合住宅「コージュ細田」の一室で、白骨化した遺体を葛飾署員が発見した。遺体はこの部屋に独りで暮らしていた84歳の女性で、目立った外傷はなく、死後2カ月以上経過しているという。
「コージュ細田」には、区が委嘱している生活協力員が住み込み、孤独死などを防ぐため安否確認を行っていたが、この部屋の女性がインターホンに応答しない状態が4カ月以上続いていたという。9月10日、排水管の清掃のため協力員が女性宅を訪れたが、応答がなかったため葛飾署に通報し、警察と一緒に室内に入ったところ、白骨化した遺体があったという。
葛飾区によると、この女性は「コージュ細田」ができた1994年に単身で入居。生活協力員は共用部の清掃などのほか、週に一度、入居者の安否確認をしているが、女性宅は以前から返事がないことが多かったという。4月末にインターホン越しに会話したのを最後に、訪ねても応答がなかった。
生活協力員が8月末に提出した報告書には「前回と変化なし」とした上で、備考欄に「女性と連絡が取れなくて不安」と記したが、区は対応していなかったという。
「コージュ細田」の居室には「人体検知センサー」が設置されており、12時間人の動きを検知しないと協力員に通報される仕組みになっていたが、この部屋の装置は作動していなかった。葛飾署は、部屋には鍵がかかっており、物色された跡などもなかったことから、事件性はないとみている。