26日、一部の新聞で、厚生労働省が一定以上の収入のある世帯の介護保険自己負担割合を2割に引き上げる方向での見直しに着手したと報道した。
社会保障改革国民会議の報告書においても、「一定以上の所得を有する者の利用者負担を見直す」と報告されていた自己負担割合の見直しが、いよいよ現実のものとなる。
報道では、「夫婦世帯で年収300数十万円以上」(朝日デジタル)「年収250~300万円程度を基準とする」(東京新聞)など、明確な年収は明らかになっていないが、多くが年金生活者である介護保険の利用者は、所得の多寡だけでなく、保有資産や子からの支援、地域性などを考慮すると、経済的なゆとりを一律に年収だけで量ることは難しい。
例えば、都市部に暮らす一般的な若年世帯(夫婦・子ども2人)で年収300万円であれば低所得層に分類されるが、高齢者二人世帯で税金や社会保障料が引かれる前の収入が300万円というのは、果たしてゆとりある世帯と言えるのか。夫婦二人ともが介護保険利用となれば、家計への深刻な影響は免れ得ないのではないだろうか。
2割が適切なのか、年収はいくらなのかの議論は、明日からの社会保障審議会介護保険部会で話し合われる予定で、方向性が決まれば次年度の通常国会に提出し、早ければ2015年の介護保険改正から実施される。