厚生労働省は、5月31日、有料老人ホームを対象とした指導状況などのフォローアップ調査(第4回)の結果を発表した。
同調査は、老人福祉法で施設名称や管理者などの届け出が義務付けられている有料老人ホームに該当しながら、届け出をしていない有料老人ホームについて都道府県からの報告内容をまとめたもの。また、前払い金の保全措置実施状況についてもあわせて調査した。
その結果、平成24年10月31日時点で全国の未届けの有料老人ホーム数は403件で、前回(第3回)の調査から144件増加していることが判明した。
前払い金の保全措置実施状況では、前払い金の保全措置が義務付けられている有料老人ホームで前払い金を徴収しているのは1,237件で、そのうち保全措置が講じられていない施設は213件あることも明らかになった。
厚生労働省では、5月31日付けで各都道府県、指定都市、中核市に通達を出し、届け出の促進指導の徹底と、前払い金の保全措置を講じていない有料老人ホーム事業者に対して速やかに改善するよう指導し、悪質な場合は罰則適用を視野に入れた上で指導の徹底を図ることを要請した。
■前回調査で未届けだった有料老人ホームの指導状況:
平成23年10月31日時点において未届けだった有料老人ホーム259件のうち、平成24年10月31日時点で未届けだった(1年間で改善されなかった)施設は158 件(61.0%)だった。
■有料老人ホームの届け出状況:
・第4回調査期間(平成23年11月1日~平成24年10月31日)の新規の有料老人ホームは1,382件で、うち未届けは245件(17.7%)だった。
・平成24年10月31日時点の有料老人ホーム8,266件のうち未届け施設数403件で全体の4.9%だった。
■入居者の処遇についての指導状況:
届け出済有料老人ホーム数7,785件のうち、入居者の処遇に関する指導を行ったのは905件だった。指導の主な事例は以下の通り。
・行動制限は、緊急時などやむを得ない場合に限定し、その記録を保存するよう指導 (26自治体)
・1部屋に複数人が生活しているため、個室化などでプライバシーを確保するよう指導 (20自治体)
・夜間に人員が配置されていなどの不備があり、緊急時に対応可能な体制を確保するよう指導(15自治体)
◎厚生労働省
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