公益財団法人痛風財団とサッポロビール株式会社は、全国の20~60代男女各100名の合計1000名を対象に、健康診断に関する意識調査を共同で実施し、その結果を5月22日発表した。
今回の調査で、健康診断の項目において尿酸値への関心が比較的低く、高尿酸値血症やプリン体に対して正しい理解をしている方が少ないという結果が明らかになった。
以下、その概要を紹介する。
■この1年間で何回健康診断を受けましたか?
この1年間で健康診断を受診している人は約6割。年代別の健康診断の受診理由に関する回答では、年齢を重ねるにつれて健康意識が高まっていることが分かる。また、健康診断を受診しない理由として「面倒だから」、「費用がかかるから」、「時間が取れなかったから」という回答が多くあった。
また、健康診断を受診する理由は、【1位】職場で実施されるから、【2位】自分の健康に関心があるから、【3位】病気になっていないか不安だから、という順だった。しかし、これが60歳以上の回答となると、2位がトップとなり、半ば強制的な健康診断がなくなる年齢層の定期的受診率がどのくらいなのか、気になるところだ。
■普段から気にしている検査項目はなんですか?
普段から気にしている健康診断の検査項目について、男女ともに「身長・体重」、「BMI・体脂肪率」、「血圧」、「中性脂肪」、「コレステロール値」が多かった。全体では「尿酸値」を普段から気にしている人は2割以下と低く、男女別でみると女性に比べて男性の方が気している割合が2倍以上で、その他の項目に比べて男女差が一番大きいことが分かった。
■尿酸値、プリン体、高尿酸血症、痛風、これらの言葉がどんなものか知っていますか?
尿酸値に関係する言葉に関する認知について質問したところ、尿酸値、プリン体について「知らない」と回答した人は約1割と認知度は高いものの、「聞いたことがあるがよく知らない」との回答が、尿酸値については半数以上、プリン体については6割以上と内容についてはよく理解していない人が多いことがうかがえた。高尿酸血症に至っては「知らない」との回答が約4割と最も認知度が低かった。一方、痛風についての認知は非常に高く、約半数の人が「どんなものか知っている」と回答しており、痛風に関しての理解は比較的高いことが分かった。
■尿酸値が上がる原因としてプリン体が関係していることを知っていますか?
尿酸値が上昇する原因として3割以上の人がプリン体の摂取が関係していることを「知らない」と回答。「あまり知らない」を合わせると6割以上となり、プリン体の影響があまり知られていないことがわかった。
プリン体を多く含む食品/飲料については、「ビール(発泡酒・第3のビールは除く)」という回答が7割以上でプリン体が多い゜メージが強いことがわかったが、他の選択肢についても実はプリン体が多い食品となっており、「ビール(発泡酒・第3のビールは除く)」のプリン体(3.3~8.4(9種)(mg/100ml)に比べて、「鶏レバー、マワシ干物、イサキ、白子、あんこう肝酒蒸し、カツオブシ、ニボシ、干し椎茸」などは300(mg/100g)以上と極めてプリン体が多い食品となっており、正しい知識を身につけている人が少ないことがわかった。
■痛風のイメージはどんなものですか?
「痛風=痛い」というイメージは定着していて、7割以上が「かなりの痛みを伴う病気」と回答。次いで「贅沢な食事をする人がなる病気」、「プリン体摂取が多い人がなる病気」の順だった。 また、痛風に最もなりやすいと思う年代は40代が43.0%、50代が37.1%と合わせて8割以上の回答となったが、実際は痛風外来における初診者の発症年齢の調査報告では、30代の発症が最多で痛風発症の若年化傾向が進んでいるので、若いうちから注意が必要だ。 痛風の原因となる尿酸値が上がりやすい季節に関する質問では、7割以上が「知らない」と回答、実際に上がりやすい季節である「夏」と回答した方は、15.3%に留まった。
今回の調査で、健康診断の項目において尿酸値への関心が比較的低く、高尿酸値血症やプリン体に対して正しい理解をしている方が少ないという結果が明らかになった。
痛風財団の鎌谷理事長は、「これから暑さが増す夏は、とくに尿酸値が上がりやすい季節ですので、尿酸値の上昇に関係するプリン体を多く含む食品の摂取を控える「低プリン体習慣」を実践しましょう」とコメントしている。
◎痛風財団
http://www.tufu.or.jp/
◎サッポロビール株式会社
http://www.sapporobeer.jp/