<メンタルヘルスセミナーレポ1>賃金、休み、人間関係の問題を解決する秘策とは?

日本介護ベンチャー協会は、5月17日、「介護職のメンタルヘルスを考える」をテーマにセミナーを開催し、セントワークス株式会社代表取締役社長の大西徳雪氏、株式会社ヒューマンリソースマネージメント代表取締役の結城啓太氏の2氏が講演を行った。

ここでは、大西氏の講演内容を紹介する。
大西氏のセントワークス株式会社は、介護経営サポートシステムの販売や人材派遣などを手がける会社だが、医療介護業界向けワーク・ライフバランスコンサルティングも行っている。講演では、ワーク・ライフバランスが重要な理由、モチベーション向上のための具体的なツールについて、途中、参加者同士のワークショップも交えて説明した。

■賃金、休み、人間関係の問題を解決するワーク・ライフバランス
介護職の離職率が高いことは知られているが、労働条件に対する不満として上位に挙がるのが賃金や人手不足、休暇の取りにくさ、身体的な負担といった問題。また、離職の理由で挙がるのは、法人や施設の理念や運営のあり方への不満、職場の人間関係など。一方、現在の仕事を選んだ理由は、「働きがいのある仕事だと思ったから」が最も多い(「平成23年度介護労働実態調査結果」介護労働安定センター)。
つまり、働きがいがある仕事と思い、就職したものの、賃金や休みの取りにくさに不満を持ち、運営に対する不満、人間関係がきっかけで離職してしまう、というわけだ。

大西氏は、「賃金の問題、休みの取りやすさ、事業所の運営方針との合致、事業所内の人間関係などの問題さえクリアできれば長く働ける」と指摘。ここで、カギとなるのが、ワーク・ライフバランスであるという。ここで、ワーク・ライフバランスとは、仕事の生産性を高めることで、私生活も充実し、「仕事と私生活の相乗効果を実現させること」だ。

まず、賃金は、「診療報酬・介護報酬が決まっているため、法人間でそれほどの高低差はなく、長く働いてもらうのであれば、むしろ、共稼ぎを前提として働けるか」。つまり、休みの取りやすさが問題とのこと。また、ワーク・ライフバランスの取り組みは、「コミュニケーションを活性化させ、モチベーションを向上させる」と大西氏は言う。

■モチベーションを上げる11のツール
ワーク・ライフバランスの改善に向け、職員のモチベーションを向上させるツールとして、大西氏は、(1)ワーク・ライフバランス目標設定シート、(2)カエル(振り返る、業務を変える、早く帰る、人生を変える)会議、(3)スキルマップ、(4)キャリアガントチャート、(5)月イチ面談、(6)ドミノ人事、(7)新人&時短者ペア、(8)プラスα評価、(9)全員メンター制、(10)ほめ9:ダメ1、(11)トリアエズの声――という11のツールを紹介した。

このうち、「スキルマップ」とは、チームが行っている業務を洗い出し、スタッフごとに現在行っている業務、半年後、1年後にやっているべき業務をチェックし、リストにするというもの。部署のスタッフのスキルを一覧にすることで、チームの弱点もわかり、弱い部分をスタッフの目標に加えることで、「人が欠けてもカバーできるようになる」という。これは、チーム力向上を目的としたツールだ。

また、「ドミノ人事」とは、あるスタッフが休職になったときに、その下のスタッフが代わりに業務を行う、その人の分はさらにその下のスタッフが行うという形で、ドミノ式にずらすことによって、スタッフが一段階上位の業務を担当できるようになり、スキル、モチベーションの向上につながるという仕組み。「ピンチをスタッフ育成のチャンスに変えることができる」と、大西氏は説明する。

「ほめ9:ダメ1」とは、注意をするときには、「9」ほめてから「1」ダメだしするということ。大西氏も「これは自分でも難しいのですが」と前置きし、「スタッフの長所を見つける訓練にもなる」と紹介した。

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