日本看護協会は、「平成24年度高齢者ケア施設で働く看護職員の実態調査」を実施し、その結果を公表した。
介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、グループホームに勤務する看護職員6,024人を対象に調査を行い、2,708人から回収、有効回答数は2,491人(41.4%)だった。
■2割が「施設での看取りは行わない」
看取りケアを経験したことがある人は、69.7%。施設別に見ると、特養が82.9%と最も高く、老健、グループホームはいずれも65.9%だった。
また、勤務する施設における看取りケアに関する方針は、「施設で看取る」ところが65.2%であり、「施設での看取りは行わない」が22.9%、「決まっていない」が10.8%。特養のみに限定しても、「施設での看取りは行わない」と回答した人が12.4%と、1割以上を占めた。
「施設で看取る」あるいは「決まっていない」と回答した1,893人のうち、「施設での看取りの基本方針がある」と回答したのは65.4%。「あるが、活用されていない」(7.8%)、「ない」(16.0%)、「あるかないか、わからない」(7.4%)も、3割を超えた。
さらに、「看取り期の判断基準」が「ある」のは 43.9%、「医療機関搬送の判断基準」が「ある」のは 43.8%にとどまった。
■夜間に看護師常駐は7割未満
看護職員の夜間の勤務体制は、「必ず看護職員が勤務している」が68.5%、「常に看護職員はいない」が20.2%、「看護職員がいる時といない時がある」が8.0%だった。
施設別にみると、老健では「必ず看護職が勤務している」が 89.0%と多くを占める一方、特養やグループホームでは、「常に看護職員はいない」(特養79.2%、グループホーム58.5%)が最も多かった。逆に、「必ず看護職員が勤務している」老健は5.3%、グループホームは2.4%だった。
回答者が勤務する施設で、看護職員が連絡待機・電話連絡などを含む「オンコール体制をとっている」のは38.7%、「オンコール体制をとっていない」のは47.9%。施設別では、特養の92.6%、グループホームの82.9%がオンコール体制をとっているのに対し、特養では21.5%と低かった。