NHKハートネットTVは、3月27日(水)13:10から「シリーズ認知症 “わたし”から始まる(1)―日本・脱病院の模索―」を放送する。
去年8月、厚生労働省により「認知症の人が300万人を超えた」と発表され、当初の推計を大きく上回るペースで認知症が急増していることが明らかとなった。そのなかで、今問題となっているのが、行き場を失い精神科病院へ長期入院する認知症の人の増加だ。その数は約5万人を超え、平均入院日数は2年半に及んでいる。こうした事態に危機感を抱いた政府は、4月から地域で安心して暮らすための新しい認知症施策をスタートさせる。
番組では、転換期を迎えた日本の現状と課題について継続的に伝えていく。認知症シリーズの1日目は「脱・病院」に取り組む石川県の精神科病院を取材。再入院を繰り返す認知症の人たちの背景にある課題を浮き彫りにしながら、今後の認知症施策に何が必要かを考える。
■放送日時:3月27日(水)13:10~13:39
■放送局:NHK Eテレ
■出演者:ダンカンさん(タレント)、池田英材さん(認知症の本人)、上野秀樹さん(精神科医)、佐野光孝さん(認知症の本人)、佐野明美さん(光孝さんの妻)
キャスター:大沼ひろみアナウンサー
認知症シリーズの2日目は、3月28日(木)13:10から、認知症政策の先進地といわれるオランダの取り組みを報告する。
日本より30年以上早く、1968年に介護保険を導入したオランダでは、70年代から高齢者の在宅生活の支援に力を入れてきた。しかも、2000年以降は国家戦略として認知症ケアにも力を入れ、本人中心の「切れ目のないケア」の整備、誰でも気軽に認知症について学べる「アルツハイマーカフェ」、介護をする家族の支援強化など、早期から最期まで暮らしを支える体制を整えることで、認知症の人の8割近くが在宅で、そのうち半数は1人暮らしだという。
番組では、オランダのケア現場を取材し、認知症の人と家族がともに満足し、幸せに暮らし続けるヒントを探り、日本の今後の認知症対策に何が必要かを考えていく。
■放送日時:3月28日(木)13:10~13:39
■放送局:NHK Eテレ
■出演者:ダンカンさん(タレント)、池田英材さん(認知症の本人)、上野秀樹さん(精神科医)、佐野光孝さん(認知症の本人)、堀田聰子さん(独立行政法人 労働政策研究研修機構研究員)、前田隆行さん(介護職)
キャスター:大沼ひろみアナウンサー
◎NHK Eテレ
http://www.nhk.or.jp/e-tele/
■関連記事
・オランダではケアマネジメントとケア提供を一貫して担う在宅ケア事業者が急成長——研究会レポ(2)
・【6月21日放送】回想法で聞き書きノートを作る認知症ケアの取り組み——NHK Eテレ