警察庁は、2012年中における自殺の状況を、3月14日に公表した。それによると、昨年の自殺者数は、久々に3万人台を割り込み、2万7,858人(前年比9・1%減)だった。
遺書などで動機が判明した2万615人を動機別に見ると、「健康問題」が最も多くの1万3,629人(48.9%)、「経済・生活問題」5,219人(18.7%)、介護疲れや不和などの「家庭問題」が理由で自殺した人は、4,089人(同14.6%)だった。
「家庭問題」をさらに原因別にみると、「介護・看病疲れ」は292人(7%)だった。
年代別では、60歳代が最も多く、4,976人(17.8%)、次いで50歳代が4,668人(16.7%)、40歳代の4,616人(16.5%)、30歳代 3,781人(13.5%)と続いた。
日本は、交通事故による死亡より自殺による死亡のほうがはるかに多いことが、国際的にも問題視されていたが、自殺者が減少したのは実に15年ぶり。11年に発生した東日本大震災で、多くの命が災害によって奪われていくのを見て、「どんなに苦しくても、命永らえることの幸せ」を実感した人は多かったに違いない。
また、生活保護費の適切でない給付などが社会問題となっている一方で、生活苦による自殺は前年度比18・5%減と、大幅に減っている一方で、健康問題などで、40~60歳代の自殺者が、全体の半数を占めているのが気になる。
◎年齢階級別、原因・動機別自殺者数
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/H24jisatu-huroku_01.pdf