オムロン ヘルスケア株式会社は、同社の健康管理サービス「ウェルネスリンク」会員の血圧や体重、歩数、消費カロリーのデータを集計し、「にっぽん健康情報マップ」としてウェブサイト(http://www.wellnesslink.jp/p/sp/map.html)上で公開している。今回、昨年1年間の血圧と気温や歩数との相関関係を分析し、「にっぽん健康データ2012」として公表した。
集計結果から、一般的に知られている“血圧は冬に上がり、夏に下がる”という血圧と季節要因との関係や、血圧と運動量の関係が明確になった。また、寒暖の差が激しい2月にも、血圧は高めの水準が続くことが明らかになった。
小山市民病院院長、日本高血圧学会前理事長の島田和幸氏によると、「急激な気温変化は血圧上昇のリスクを高めるため、特に寒暖差の大きい今年の2月は注意が必要。運動不足、暴飲暴食になりがちな年末年始をはじめ、温度調節のしやすい服装を心がける、起きてすぐの運動は避けるなど、日常生活での心がけが重要。また、家庭血圧を毎日測定し、日々の変化を見逃さないことが大事です」と、コメントしている。
調査結果のおもなポイントは以下の通り。
【「にっぽん健康データ2012」のポイント】
1) 1年で最も血圧が高いのは、最低気温を記録した年末年始の12月~1月
1年間のうち、最も血圧が高くなったのは1月で、最高血圧(全国平均)は家庭血圧における高血圧の基準である「135.0」に近い「134.9」を記録。気温が年間で最も低いことに加え、暴飲暴食になりがちな年末年始の生活習慣が一因となっていることが推察される。
2)寒暖差の大きい2月も、血圧は高め水準
2月は、最高血圧(全国平均)が「134.2」と、12月、1月と並び年間最高水準を記録。気温の高い夏季(7月~9月)と気温の低い冬季(12月~2月)を比べると、最高血圧値には約5~7の数値の開きが見られ、気温が下がるほど血圧が上がる傾向が見られた。
3)季節の変わり目の9月~10月は、急激な血圧上昇に注意
季節が夏から秋へと変わる9月~10月に、急激な最高血圧値の上昇(全国平均128.8→131.9)が見られた。
4)運動不足になりがちな冬、血圧は高めに
運動量(1日あたりの歩数)は、冬に少なく夏になると増える傾向。1月は、1日あたりの歩数(全国平均)が7月に比べて約800歩減と、年間で最も少なくなっており、同時に血圧値は最高となっていることから、運動不足も血圧上昇の一因となっていることも考えられる。
■「にっぽん健康データ2012」 概要:
・対象者 : ウェルネスリンク会員のうち、通信機能を搭載した血圧計、歩数計、活動量計のいずれか、または複数を使用して、測定データを転送管理している会員約15万人
・集計期間 : 2012年1月~12月
◎オムロン ヘルスケア株式会社
http://www.healthcare.omron.co.jp/
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