警察庁は、2012年に認知・検挙した振り込め詐欺の被害状況について公表。2012年の被害額が363億円にも上ることが明らかになった。年間で300億円を超えたのははじめで、過去最悪を更新した。
振り込め詐欺とは、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺及び還付金等詐欺などのこと。このうち、被害総額が最も多いのが「オレオレ詐欺」で113億円を超える。
また、2011年にはおよそ2億5千万円の被害総額だった「還付金等詐欺」は、2012年には約11億3千万円に増加した。還付金等詐欺とは、市町村の職員などを装い、税金の還付などに必要な手続きを装って被害者に現金自動預払機(ATM)を操作させ、振り込ませる手口のことだ。
このほか、「架空請求詐欺」も、2011年の被害総額10億3,815万円から、2012年には31億3,180万円へ、増加した。
オレオレ詐欺にしても、架空請求詐欺、還付金等詐欺にしても、被害対象となりやすいのがやはり高齢者だ。被害者の年齢構成をみると、振り込め詐欺全体において、70歳以上が53.7%と過半数を占める。また、60代も26.8%と多い。男女別に見ると、男性が25.7%、女性が74.4%と、女性が多いことも特徴だ。特に60歳以上の女性で全体の6割を占めており、こうした被害の対象になりやすいことを、本人も、そして周囲も注意しておく必要があるだろう。
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