ナカノ会は、在宅医療を新しい視点からとらえた『在宅医療が日本を変える ~キュアからケアへのパラダイムチェンジ~【ケア志向の医療=在宅医療】という新しい医療概念の提唱』を発行し、話題になっている。
長寿を目指す医療(キュア)から天寿を全うする医療(ケア)へ。超高齢社会を迎え、現在の医療崩壊は「キュア志向の病院医療」の崩壊にすぎないと著者の中野一司氏は喝破する。医療法人ナカノ会理事長であり、ナカノ在宅医療連携拠点センター設立した中野氏は、「ケア志向の在宅医療」の哲学を掲げ、ICTを駆使しつつ地域包括ケアシステムを構築、医療・地域再生に挑んでいる。中野氏は言う、「“家で死にたい”のではない 死ぬまで“家で生きたい”のである」と。これこそが本当に必要な在宅医療を意味する言葉ではないだろうか。
現代医療の問題と在宅療養を結びつけた、新しい視点の本だ。
■書名:『在宅医療が日本を変える ~キュアからケアへのパラダイムチェンジ~【ケア志向の医療=在宅医療】という新しい医療概念の提唱』
■著者:中野一司
■目次:
1 はじめに―在宅医療が日本を変える
2 村田理論におけるキュア概念とケア概念―“苦しみの構造”
3 病院医療(キュア志向の医療)と在宅医療(ケア志向の医療)
4 医療法人ナカノ会の13年の歩み
5 在宅医療と情報革命(ICT革命)
6 情報革命(ICT革命)と政治、社会変革
7 在宅医療とラップ療法
8 看取りの文化の創造―再びキュアからケアへのパラダイムチェンジ
9 終わりに 医療再生のシナリオ―地域包括ケアシステムの構築に向けて
■定価:1,260円(税込)
■仕様:A5判/126 ページ
■発行:ナカノ会
■発売:ドメス出版
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