厚生労働省は1月15日、平成24年度の補正予算案の概要を公表した。
それによると、追加予算として3兆2,198億円(一般会計3兆1,698億円 特別会計500億円)を計上した中で、医療関連の主な内訳は以下のとおりとなっている。
1)「成長による富の創出」関係 1,691億円
2)「復興・防災対策」関係 1,345億円
3)「暮らしの安心・地域活性化」関係 3,999億円
1)「成長による富の創出」関係の中には、臨床研究中核病院等の整備 33億円、再生医療の臨床応用に向けた人材育成 22億円、肝炎研究推進のための臨床研究基盤体制の整備 13億円、創薬支援機能の強化のための研究設備の整備 12億円、開発途上国向け医薬品開発の促進 7億円 、生活衛生関係営業の安定化支援 3.1億円が割かれている。
中でも、創薬支援機能の強化のための研究設備の整備には、できるだけ早く基礎研究の成果を医薬品の製品化につなげ、新しい医薬品を国民へ提供するため、(独)医薬基盤研究所において、創薬支援業務の強化に必要となる研究機器設備の整備を行うとしている。
2)「復興・防災対策」関係では、医療施設の耐震化の推進 406億円、災害医療体制の整備の支援 (500億円の内数)、広域災害・救急医療情報システム(EMIS)の機能の充実 8,900万円が割かれている。
この中で、社会福祉施設の耐震化等整備の推進するため、(独)福祉医療機構が低金利かつ長期の貸付を行うことにより設置者の自己負担を軽減できるよう、政府出資により同機構の財務基盤を強化するとしている。
3)「暮らしの安心・地域活性化」関係の中の【医療・衛生関係】では、安定した医療保険制度の構築 2,801億円、災害医療や在宅医療の推進、地域の医師確保等(一部再掲) 500億円、医療提供体制を充実するための医療機器等の整備 30億円、新型インフルエンザ対策の推進63億円が割かれている。
ここでは、特に後期高齢者医療制度臨時特例基金等の積み増し・延長等について、医療保険制度の円滑な施行及び運営のため、以下の事業を進めるとしている。
■高齢者医療の負担軽減措置 2,683億円
70~74歳の窓口負担軽減措置、後期高齢者医療の被保険者のうち低所得者等の保険料軽減措置を行う。
また、70~74歳の医療費自己負担については、当面、1割負担を継続する措置を講じるが、世代間の公平や高齢者に与える影響等について、低所得者対策等とあわせて引き続き検討し、早期に結論を得るとしている。
■特定健康診査・保健指導データ管理システムの機器更改等 38億円
国民健康保険制度等の安定的な運営を確保するため、国民健康保険団体連合会等が運用する特定健康診査・保健指導データ管理システムの機器更改等を行う。
■健康保険組合の保険者機能強化に向けたITネットワーク基盤システムの機器更改等 80億円
健康保険組合の電子レセプト及び特定健診・特定保健指導データを活用した医療費分析の機能を向上させるため、健康保険組合医療費分析システムの機器更改等を行う。
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