セブン&アイ出版は、終末期を迎えた患者の胃ろうについて考えた一冊、『胃ろうという選択、しない選択 「平穏死」から考える胃ろうの功と罪』を発行した。
近年、新聞やテレビで「過剰な延命治療」と取り沙汰される「胃ろう」。種々の病気で、口から食べられなくなったり、嚥下機能が落ちてきた人には、胃に小さな孔(あな)を開け、管を通し、胃に直接栄養剤を注入する人工栄養法を医師はすすめる。この胃からの経管栄養法が「胃ろう」だ。胃ろうをいったん増設すると、胃ろう栄養の中止は容易にできない。中止は、死に直結するからだ。
同書では、胃ろうは「過剰な延命治療」なのか、人生の終末期に突然求められる「胃ろう」という提案に、患者と家族はどう答えるべきかなど、 胃ろうの何が問題なのかを考える。胃ろうを単純に否定するのではなく、こんな考えかたや捉え方もある、と読者自身が考えられる内容となっている。
著者は、長尾クリニック院長の長尾 和宏氏。終末期のお年寄りたちが直面している、胃ろう問題の現実を、500人を在宅で看取った現役医師が訴える。
■書名: 『胃ろうという選択、しない選択 ~「平穏死」から考える胃ろうの功と罪~』
■著者:長尾和宏
■目次:
はじめに あなたは「胃ろう」をご存じですか?
第1章 今、「胃ろう」の何が問題なのか――
第2章 病院はなぜ、胃ろうをすすめるのか?
第3章 ハッピーな胃ろう、アンハッピーな胃ろう
第4章 胃ろう生活Q&A 質問の多いこと
第5章 「平穏死」から考える、胃ろうの功と罪
おわりに どう生きるか、何を優先するか?
■仕様:B6判/240ページ
■価格:1,575円(税込)
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