花王株式会社と生物科学研究所は、コーヒー豆に含まれるポリフェノールの持つ生理機能と、焙煎によって生じる成分との関係について調べたところ、血管を丈夫にし、体脂肪を減らす作用があることをつきとめた。
コーヒー豆に含まれるポリフェノール(クロロゲン酸類)には血管内皮機能を改善する作用を見出し、また、血圧がやや高めの方を対象とした試験では血圧改善が認められた。同時に、この作用を十分に発現させるためには、焙煎工程で生じる酸化成分(ヒドロキシヒドロキノン)を低減させたコーヒーが有効であることを明らかにした。
このコーヒーを用いてBMIが平均27.7の方を対象とした試験により、クロロゲン酸類が体脂肪や体重を低減する作用を有することを見出した。クロロゲン酸類の継続摂取によりエネルギー消費、特に脂質燃焼量が有意に増加することが確認されていることから、体脂肪の低減は体内での脂肪消費を高める作用によるものと考えられる。
これらの研究成果は世界のコーヒー関連研究者が集う第24回国際コーヒー科学会議において発表された。同社は、今後、クロロゲン酸類の機能や焙煎で生じる成分の影響についてさらに詳細な研究を進めるという。
◎花王
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