厚労省は、在宅酸素療法を実施している患者宅で発生した火災による死亡事例が2例追加報告されたことを受け、在宅酸素療法の患者宅での火の取り扱いについて、12月19日、注意喚起を行なった。原因は暖房器具や喫煙とみられている。
在宅酸素療法は、慢性呼吸不全の患者が、酸素濃縮装置(酸素を患者に送るためのチューブを含む)、液化酸素および酸素ボンベを用いて自宅で高濃度の酸素吸入をする治療法。
酸素濃縮装置などは適切に使用すれば安全だが、酸素は燃焼を助ける性質が強いガスなので、装置類に火気を近づけてはならないことが添付文書や取扱説明書に記載されている。
しかし、在宅酸素療法を受けている患者が、喫煙などが原因と考えられる火災で死亡するなどの事故が繰り返し発生し、これまでも厚生労働省のホームページなどで注意を呼びかけてきた。
今回の死亡事例の報告により、在宅酸素療法を受けている患者やその家族に、酸素吸入時にたばこを吸わないこと、酸素濃縮装置などの周辺ではストーブなど火気の取扱いについて十分にご注意することを呼びかけている。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)などで在宅酸素療法を行なう患者は、国内に約12万人と言われている。家族をはじめ、訪問者にもたばこやストーブの取り扱いを徹底させることを肝に銘じたい。
■追加された死亡事例:
2012年6月 岡山県 80代(男) 死亡 原因・喫煙
2012年11月 京都府 70代(女) 死亡(焼死) 原因・不明(ストーブか)
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