<食中毒>真空パック詰め食品などのボツリヌス中毒対策について――厚労省

11月19日、厚生労働省から真空パック詰め食品などのボツリヌス食中毒対策についての注意喚起がなされた。

真空パック詰めなどの「容器包装詰低酸性食品(※注)」は、殺菌や冷蔵保存等の対策を怠ると、ボツリヌス菌による重篤な食中毒を引き起こすおそれがあるという。

容器包装詰低酸性食品の中には、いわゆるレトルト食品(常温保存が可能)と包装形態がよく似ているものもあるが、たとえ密封食品であっても十分な高温加熱殺菌などの対策が行われていない場合、常温で放置しておくとボツリヌス菌が増殖し、命にかかわる食中毒の原因になることがある。

「要冷蔵」「10℃以下で保存してください」などの表示がある場合は、冷蔵庫などでの適切な保存が必要。購入後は寄り道せずにまっすぐ帰り、すぐに冷蔵保存すること。そしてパッケージの表裏の表示をよく確認し、適切な冷蔵保存や加熱調理を行うことが望ましい。

ボツリヌス菌は、時に命にかかわる重篤な食中毒を引き起こす。予防のためにも、食材管理などが十分でない要介護高齢者宅においては、真空パック食品が「冷蔵」等の表示があるにもかかわらず常温保存されていないか、一度確認することをおすすめする。

■注意喚起のポイント
要冷蔵との記載がある食品は、冷蔵保存の徹底が必要
◎リーフレット

※注 「容器包装詰低酸性食品」とは、容器包装に密封した常温流通食品のうち、pHが4.6を超え、かつ、水分活性が0.94を超えるものであって、120℃4分間に満たない条件で殺菌を行ったもの(殺菌は、容器包装に詰める前後を問わない)

■ボツリヌス食中毒とは
ボツリヌス菌が作り出す毒素を含む食品を食べることによって発症する。

【特徴】菌は土壌・水などに広く生息し、常に食品を汚染する危険性がある。なかでも酸素が極めて少ない密封状態で増殖するため、適切な状態で保存されていない真空パックの食品に繁殖することがある。
ボツリヌス菌は熱に強い芽胞を形成するが、菌が作り出す毒素は十分な加熱で毒性を失う。
毒素は、神経筋接合部で神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を妨げ、神経と筋肉の伝達を遮断して、筋肉が収縮せず、筋肉のまひを引き起こす。

【症状は?】物が二重に見えたり、手足に力が入りにくくなるなどの神経症状が出現し、放置すると呼吸困難などを起こして短時間で命にかかわる場合もある。

【発症したら?】ただちに治療が必要。早急に医療機関を受診すること。

■これまでの発生率
平成12年から平成24年10月までの間に、ボツリヌス菌により、4件(患者数5人)の食中毒の発生が確認されている。また、原因が分からないものや食事以外が原因となったものを含めると、平成15年11月5日から平成23年の期間に17人の患者(感染症法に基づき、ボツリヌス症の届出があったもの)が発生している。

◎真空パック詰食品(容器包装詰低酸性食品)のボツリヌス食中毒対策

■関連記事
・施設で食中毒が発生した場合の対処法は?——東京都セミナーレポ
・この半年、全国で5千人以上が食中毒に——厚労省食中毒統計資料

介護食の基礎知識

介護のキホン

介護シーン別に基礎を知る

みんなが注目する基礎知識

要介護度とは?

要介護度とは?

介護度は7段階に分かれていて、要支援1・2、要介...

介護度別ケアプラン事例

介護度別ケアプラン事例

<要支援1>支給限度額49,700円、自己負担額...

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービス(通所介護)の選び方

デイサービスは曜日によって利用者が異なり、雰囲気...

家族で話し合おう

家族で話し合おう

家族で話し合おう...

介護用語を調べる

頭文字から探す

 
 
     
 
         
A B C D E F G H I J K
L M N O P Q R S T U V
W X Y Z              

キーワードから探す

このページのトップへ