厚生労働省は、増加しているノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者について、過去10年間の同時期としては、2006年に次いで第2位の水準となっていると発表した。
感染性胃腸炎の11月12日~18日の週(第46週)の定点当たりの届出数(11月27日、国立感染症研究所が発表)は、 11.39。過去10年の同時期では2006年の16.42に次いで多い。
今年のノロウイルスによる食中毒の発生状況は、10月・11件、11月(11月26日までに厚労省に報告のあったもの)・26件であり、増加する傾向にある。
感染性胃腸炎には、ノロウイルス(冬に多い)やロタウイルス(春に多い)、そのほかの細菌(夏に多い)など、様々な原因によるものを含む。年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスによるもので、うち約7割は11月~2月に発生するなど、この時期の感染性胃腸炎の集団発生例の多くはノロウイルスによると考えられる。
ノロウイルスは感染力が強く、大規模な食中毒など集団発生を起こしやすい。そのため厚労省は、ノロウイルスによる食中毒や感染の防止対策について一層の啓発や指導を行い、注意喚起のためのリーフレットを作成し、11月27日付で都道府県などに周知した。
■注意喚起のポイント
・食品の取り扱いに当たっては、調理者の健康管理、手洗い、調理器具などの消毒が重要である。
・感染拡大防止には、汚染したものの消毒、患者のおう吐物・おむつの適切な処理が重要である。
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