<セミナーレポ2>認知症処方薬は軽度・中等度など程度によって使い分ける

11月11日、都内で開催された「介護の日」セミナーでは、「がんばらない介護生活~介護と幸せな人生の両立」をテーマに、専門職向け、一般市民向けの講座が複数行われた。

専門職向けに開催されたセミナーでは、「認知症の早期発見」をテーマに、敦賀温泉病院院長で精神科医の玉井顯氏が講演を行った。玉井氏は、昨年ロンドンで開催された国際アルツハイマー学会に出席。そこで得た、認知症に関する最新の情報を紹介した。ここでは、その後半をお届けする。

玉井氏は、アルツハイマー型認知症以外の認知症についても、症状や分類をくわしく紹介。会場では、参加者の多くがメモを取る姿がみられた。

【レビー小体病の症状特徴】
・パーキンソン症状
幻視、錯視、誤認、妄想
・注意・認知機能の変動、レム睡眠時行動異常
・後頭葉の代謝や循環が低下
・転倒はアルツハイマー病の10倍
・薄暗い環境では細かなものが見にくい
・青色系の弁別障害(微小細胞系の障害)
:錯綜図の障害

【前頭側頭葉変性症(FTLD)の種類】
・意味性認知症(SD)
・進行性非流暢性失語(PNFA)
ピック病(FTD)

■経度か重度かで薬の処方を変えていく
認知症の治療については、これまでアリセプトしかなかったアルツハイマー治療薬に、昨年、相次いで複数の治療薬が承認され、選択肢が広がったことを紹介。
「初診で検査を受け、アルツハイマー病と診断されたら、最初の選択肢としては内服薬のアリセプトかレミニール、または貼付剤のリバスタッチを処方。中等度、重症に進行した場合は、メマリーを上乗せするか、アリセプトを増量する」と、具体的な処方についても説明した。

さらに、それぞれの薬剤が、脳のどの部分に作用するかも解説し、状態に応じてもっとも適切な薬剤を処方することが必要だと述べた。具体的には、以下の通り。

・超早期(服薬管理が可能)では、記憶・意欲・言語・パーキンソンに作用するアセチルコリン阻害薬(リバスタッチ、アリセプト)
・軽度ではドパミン、GABAなどを
・中等度以上や前頭葉症状には、ダメージから脳細胞を保護する作用のあるメマリー

このほか、玉井氏が在籍する敦賀市での医療介護の連携の様子や、行動観察シートを用いての認知症患者の評価などを紹介。「なによりも重要なのは早期発見・早期受診であり、実際に認知症と思われる症状で周囲が困ってからでは、治療の経過に大きく差が出る」と、医療より先に、当人の身近にいる家族や支援者がいかに早く変化に気づき、受診させるかがカギとなる、としめくくった。

がんばらない介護生活

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