入居者に対する虐待で特養を一部効力停止処分に――神戸市

神戸市は、施設職員による入所者への虐待が行なわれ、要介護者に対する人格尊重義務違反があったとして、特別養護老人ホーム「本多聞ケアホーム」の指定の一部効力を停止すると発表した。処分は10月15日付で、これにより6ヵ月間新規の受け入れができなくなる。

7月19日に虐待の通報があり、同日より数回監査・事情聴取および立入検査を複数回実施。10月4日に事業者に対し聴聞を実施し、処分に至った。
虐待は複数の入居者に対して行われ、複数の職員が関与している。

神戸市の特養が行政処分を受けるのは、神戸海岸特養ケアセンター(2012年9月7日付で処分)に続き、今年で2件目となる。

【施設の概要】
■施設名:特別養護老人ホーム本多聞ケアホーム

■所在地:神戸市垂水区本多聞7丁目2番2号

■運営法人:社会福祉法人 報恩感謝会(所在地:神戸市長田区東尻池町3丁目6-27 理事長:中山 数一)

■入所定員:80人

■当初指定年月日:2000年4月1日(直近更新年月日:2008年4月1日)

■処分年月日:2012年10月15日(報酬上限8割は11月利用分から)

■処分の内容:6ヵ月間の新規受入停止および6ヵ月間の介護報酬請求上限8割(報酬の20%減額)

【処分を行う理由】
■入所者に対する虐待
・2012年7月、入所者が施設職員の髪の毛を引っ張ったことに対して、別の施設職員が入所者の髪の毛をつかみ、身体的・心理的虐待を行なった。

・2012年7月、入所者の依存的な言動に立腹し、施設職員が暴言を発し、心理的虐待を行なった。

・2012年5月〜7月中旬までの間に2回、入所者の指をなめるなどの行動を見て施設職員が暴言を発し、心理的虐待を行なった。

・2012年5月〜7月中旬までの間に、入所者から叩かれたことに対し、施設職員が立腹して叩き返し、身体的・心理的虐待を行なった。

・1〜2年前に、入所者から叩かれたことに対し、施設職員2名が立腹して叩き返し、身体的・心理的虐待を行なった。

・1〜2年前に、入所者から髪を引っ張られたため、施設職員が入所者の髪の毛を引っ張り、身体的・心理的虐待を複数回行なった。

高齢者虐待の防止に関する研修の未実施
・2012年2月に研修を実施しているが、それ以前は実施しておらず、資料を配布しているだけだった。

虐待の恐れがある事例の神戸市への報告義務違反
・2012年7月19日に市に対して通報があった虐待について、通報者は市への通報前に施設に報告していたが、施設からの報告がなかった。
・一部の職員は、約2年前から、施設内で虐待の疑いや虐待があると認識しており、虐待がある場合、または疑いであっても市へ通報する義務があると知っていたにもかかわらず、通報を怠っていた。

◎神戸市

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