「認知症の様々な症状を理解することが、治療や介護に必須」――東京都認知症シンポジウムレポ(1)

9月13日(木)、東京都福祉保健局主催のシンポジウム、「認知症を知ろう〜地域で暮らす・社会で暮らす」が東京都庁で開催された。

当日、会場には約400名の聴衆が集まり、認知症に対する関心の高さがうかがえた。第一部では、昭和大学横浜北部病院准教授の福井俊哉氏による基調講演、「認知症という病気を知る」が行われた。

福井氏はまず、認知症には様々な症状があることを解説した。認知症を果実の“桃”に例え、「桃の種に当たる部分が『中核症状』と呼ばれ、注意、実行機能、記憶、言語、行為などに表れる症状です。また、その周りにある果肉の部分が周辺症状、つまりBPSDと呼ばれる症状です」。BPSDには、妄想幻覚などの精神症状のほか、徘徊などの行動症状、抑うつ、不安などの感情症状があるという。「認知症とは、これらの症状全体で成り立っています」と、福井氏。

さらに、代表的な認知症疾患について解説。まず、「アルツハイマー病」(以下、AD)について、診察に訪れたある女性の様子をビデオで紹介した。会話がズムーズで、女性の対応が自然なために、一見すると認知症とは分からない。しかし、女性に年齢や病院名など、具体的なことを尋ねると答えが出てこない。また、記憶させた言葉が、少し時間が経過すると出てこない。「このような記憶障害ほか、ADには、電車の乗り継ぎができない、といった実行機能障害など、症状は実に多彩です」と福井氏。また、MRI検査では分かりづらい、などの特徴も説明した。

次に、「レビー小体型認知症」(以下、DLB)について解説した。「DLBの特徴は、見えるはずの無いものが見える『幻視』や、スーパーの袋が犬に見えるなどといった『錯覚』などが挙げられます。また、よく転ぶ、といった症状も診断の目安になります」。

このほか、認知症には「血管性認知症」(VaD)、「前頭葉型認知症」(FTD)、「意味性認知症」(SD)などがあり、「こうした原因疾患により認知症の症状が異なることを理解することが、治療や介護には必須です」と、講演を締めくくった。

――シンポジウム(2)へ続く

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