帝人ファーマ株式会社は、8 月15日、骨粗鬆症治療剤として世界初となる経口ゼリー剤で、週1回投与の「ボナロン経口ゼリー35mg」(一般名:アレンドロン酸ナトリウム水和物)の製造販売承認を取得したと発表した。販売開始は今冬の予定。
国内における骨粗鬆症患者数は、高齢女性を中心に1,280万人と推定されている。骨粗鬆症は、高齢者の寝たきりや死亡リスク増大の直接的な原因とされている大腿骨近位部骨折を引き起こすだけでなく、歩行能力や内臓機能、呼吸機能などにも様々な悪影響を及ぼす可能性がある。また、近年は高脂血症や糖尿病などの生活習慣病と密接に関連していることが指摘されており、高齢社会の急速な進展に伴い、骨粗鬆症治療に対する関心がますます高まっている。
同社の「ボナロン」は、優れた骨吸収抑制作用により、患者の骨密度を増加させるとともに、大腿骨近位部骨折の発生頻度を抑制することが確認されているビスホスホネート系薬剤。『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年度版』においては、大腿骨近位部骨折をはじめとする骨折リスクの抑制に高い効果が期待できる薬剤として、高い評価を得ている。また、海外における10年以上の長期臨床試験によって、その有効性および安全性が確認されている。
一方、ビスホスホネート系経口剤には、服薬後30分間は他の薬剤の経口摂取を避けるなどの服薬制限があるため、様々な疾患治療のために複数の経口剤を服用することが多い高齢の患者は、他の薬剤と分けて服用する必要があった。また、加齢などによる嚥下機能の低下により、高齢の患者にとっては錠剤を服用しにくいことなどが課題となっていた。
そこで「ボナロン 錠35mg」で有効性および安全性が確認された成分を、骨粗鬆症治療剤としては世界で初めてゼリー剤に剤形変更した。その結果、他の経口錠剤との区別が容易になるだけでなく、嚥下に不安を持つ患者にとっても、飲みやすさの改善が期待できる。