厚生労働省と国土交通省は、孤立死を未然に防止するための取り組みとして、7月31日、連名で都道府県などの住宅主管部局・民生主管部局、独立行政法人都市再生機構、不動産関係団体(以下「住宅供給事業者など」と表記)あてに事務連絡を発出した。
厚生労働省は5月11日に、地方自治体の福祉担当部局に孤立死の防止対策をとりまとめた総合的な通知を発出したのに続いての措置となる。
通知の内容は以下の通り。
■住宅供給事業者などに対し、福祉担当部局との連携を依頼
住宅供給事業者等に対し、地方公共団体福祉担当部局などから必要な情報提供や連絡・連携体制を構築について協力要請があった場合は、積極的な協力を依頼。
また、住宅セーフティネット法の居住支援協議会で孤立死防止対策等を検討することができることも例示。
■個人情報保護の適用外の理解促進
「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」に該当する場合は、あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを第三者に提供できることの確認。
■住宅供給事業者などと福祉担当部局とが連携している事例を紹介
紹介事例は以下の通り。
・滋賀県野洲市「生活弱者発見・緊急プロジェクト」
家賃滞納などの情報から不動産管理会社が本人の状況を確認、SOSを発見した場合、本人の同意の下に市役所へ連絡。行政サービスを活用し生活再建支援を実施する。
・福岡県北九州市「いのちをつなぐネットワーク事業」
地域関係団体、ライフライン事業者、住宅供給公社、URなどさまざまな団体の日頃の業務や活動の中で、いのちに関わる心配な事態に気づいた場合、区役所等につなぐなどそれぞれの特性にあった協力を実施。
・神奈川県横浜市「安心生活創造事業」の公田町団地(UR賃貸住宅)
同団地の自治会等がNPO法人を設立し、見守りや買い物支援を実施。URモデル事業として80戸の居室等に人感センサーを設置し、異常を感知したら安否確認を行う。
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