アルツハイマー病にかかった実母の姿の毎日を綴るドキュメンタリー、長編動画『毎日がアルツハイマー』が、7月14日から首都圏3館で公開される。
製作したのは、『THE ダイエット!』『戦場の女たち』の関口祐加監督。認知症が進行していく母親のひろこさんとの生活を記録し、2010年からYoutubeで公開したところ、その累計視聴数は20万を突破した。2年半に記録した映像は100時間以上におよび、それを93分にまとめたものが本作だ。
母、ひろこさんは、2009年以来、認知症が進行する中、記憶障害の低下が著しくなり、2012年5月現在、判断力、理解力も徐々に失われつつある。だが認知症後、以前とは見違えるように「喜怒哀楽」がハッキリとし、明るく、あけすけな性格へと豹変した。嬉しいときも、怒るときも、悲しいときも、楽しいときも真剣で、本気。ひろこさんの脳には感情がしっかりと残り、今までよりずっと感性が鋭くなっている。そんな彼女の「喜怒哀楽」を通してアルツハイマーの世界を描きながら、家族のあり方、人間のあり方を問いかける。
(C)2012 NY GALS FILMS
■映画名:長編動画『毎日がアルツハイマー』
■企画・製作・監督・撮影・編集:関口祐加
■製作年:2012年
■時間:1時間33分
■上映館:ポレポレ東中野、銀座シネパトス、横浜ニューテアトル
■認知症の人や家族が出くわす様々な出来事を、ユーモアいっぱいに描いています。この映画を観るだけで、教科書を何冊読んでも分からない認知症の世界が分かります。ぜひ、医師をはじめ、介護の方や家族の方にも観てほしいと思います」遠藤英俊(国立長寿医療研究センター・内科総合診療部長)
「素晴らしい作品で、ドキュメンタリーの良さが最高でした。特に、他の認知症に関するTVドラマや映画が、認知症で失われていく機能を強調しているのに対して、本作品は残っている脳機能を強調して認知症を考えさせているところが出色です」新井平伊(順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学教授)
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