高血圧治療剤は1兆円市場!――富士経済調査

株式会社富士経済は、主に医師の診断と処方に基づいて使用される医療用医薬品について市場調査した結果を、報告書「2012 医療用医薬品データブック No.1」にまとめた。調査期間は2年間。内容は、第1回(全6回)として、循環器官用剤(8品目)、脳疾患治療剤(2品目)、消化器科疾患治療剤(11品目)の3薬効領域(計21品目)。

今回は、高齢者への処方も多い循環器官用剤と脳疾患治療剤の市場動向について紹介する。

■循環器官用剤(8品目):
血圧症治療剤、抗血小板剤・末梢血管拡張剤、狭心症治療剤など8品目を対象とした循環器官用剤市場は、2011年に前年比2.6%増の1兆3,630億円となった。
最も規模が大きく循環器官用剤市場全体の60%以上を占めている高血圧症治療剤は、ARB(アンジオテンシンII受容体阻害剤)で、利尿剤やCA拮抗剤との配合剤が相次いで発売され、拡大の要因となっている。高血圧症の高齢者の多くが処方されており、今後もこの分野は拡大が予想される。

血圧症は潜在患者を含め非常に患者数の多い疾患で、かつ高齢化に伴って患者数は増加傾向にある。このため、高血圧症治療剤は医療用医薬品市場全体で最も規模が大きく、2011年の市場は前年比1.7%増の9,051億円となった。

血圧症治療剤市場の拡大を牽引しているARBは、2009年に利尿剤との配合剤、2010年にCA拮抗剤との配合剤がそれぞれ複数の企業から発売されたことで、単剤から配合剤にシフトしつつある。単剤の上位ブランドは実績を減らしており、参入各社は配合剤を含めた品揃えの拡充によって様々な患者ニーズに対応し、ファミリー全体での実績拡大を図っている。一方、これまで高血圧症治療剤の主力であったCA拮抗剤は、ジェネリック医薬品やARBとの配合剤の発売を受けて縮小している。

■脳疾患治療剤(2品目):
要介護高齢者の3割の原因疾患といわれる脳疾患治療剤(脳卒中急性期治療剤、脳卒中慢性期治療剤の2品目)を対象とした脳疾患治療剤市場は、2011年に前年比6.8%減の560億円となった。

新薬の発売が少なく市場の製品構成に変化のない状況が続いているため、薬価の引き下げやジェネリック医薬品への切り替えが影響して縮小しており、今後もこの傾向が続く見通しとなっている。

◎富士経済

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