現在、提言型政策仕分けを進めている厚生労働省では、雇用対策における提言「リーマンショック後の雇用対策」のなかに、介護人材についての一文を盛り込んだ。
提言(取りまとめ) の総論は以下のとおり。
【総論】
リーマンショック後の雇用対策について一定の成果は確認されるが、労働市場に与えた影響、利用者や自治体の評価など詳細な検証が不十分である。
今後は、「望ましい働き方ビジョン」(非正規雇用のビジョンに関する懇談会報告 平成24年3月)の理念を活かし、個々の雇用形態による違いに留意しつつ、非正規雇用の労働者への総合的な対策を強化すべきである。同時に、成長分野と連動した雇用対策に重点を置くべきである。
特に、離職者が多く人手不足の状況が続いている介護分野については、省内の関係部局が一体となって、処遇の改善や身体的負担の軽減などの雇用管理の改善を行い、介護労働者の定着の促進に取り組むべきである。
また、今後の施策について事後検証が十分行いうるように、政策評価のための情報や統計の収集、その手法や指標の改善に励む必要もある。
引用ここまで。
これらの対策として、厚労省は雇用調整助成金や人材育成に予算を計上してきた。
しかし一方で、内閣府で6月11日に行われた「府省庁版事業仕分け」では、職業ごとの人材の知識や能力を公的に証明する資格として注目されていた「キャリア段位制度」を「廃止」するとした。介護分野での転職市場の活性化などを目的に導入された事業だったが、費用対効果がはっきりしないとバッサリ。
雇用促進を誘導するためのキャリアアップ事業だっただけに、今後の成り行きが注目される。
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