厚生労働省は、6月1日、2013年度から始まる次期健康づくり計画である「健康日本21(第2次)」について検討する厚生科学審議会の部会で、「健康寿命」が2010年現在、男性が70.42歳、女性が73.62歳だったとする算出結果を発表した。
健康寿命とは、介護を受けたり寝たきりになったりせず、健康な日常生活を送ることができる期間のことで、今回の算定によると、平均寿命と健康寿命との差は男性で9.22年、女性で12.77年となった。この期間が増大すればするほど、医療費や介護給付費の多くを消費することになる。
このため同省が示した計画案では、計画最終年の2022年度に向け、「健康寿命」を延ばすことが重要だという考えを打ち出した。これにより、高齢者の生活の質の低下を防ぐとともに、社会保障負担の軽減も期待するとしている。
具体的に盛り込まれた目標は、各疾病の死亡率低減に加え、食事や運動など日常生活のさまざまな項目についても多数設定されている。主な目標値は以下の通り。
■人口10万人当たりの75歳未満のがんの死亡率
⇒2010年84.3人を2015年には73.9人に減少させる。
■成人の喫煙率
⇒2010年19.4%を2022年度までに12%に減少させる。
■人口10万人当たりの脳卒中の年間死亡率
⇒男性は2010年49.5人から2022年度41.6人、女性は同じく26.9人から24.7人に。
■人口10万人当たりの心筋梗塞や狭心症などの心臓病の年間死亡率
⇒男性は2010年36.9人から2022年度31.8人に、女性は同じく15.3人から13.7人に減少させる。
■メタボリックシンドローム該当者と予備軍
⇒2008年度1,400万人を2015年度には25%減少させる。
■介護保険サービス利用者
⇒2012年度452万人で、2022年度の増加は657万人に抑える。
■足腰の痛みのある高齢者(1,000人当たり)
⇒男性2010年218人を2022年度200人に、女性は同じく291人を260人に。
■65歳以上の日常生活の歩数の増加
⇒男性は2010年5,628歩を2022年度7,000歩に、女性は同じく4,584歩を6,000歩に。