認知症の人には右脳に働きかけるような接し方を――シンポジウム(1)

認知症患者や家族に寄り添い、サポートできる人を養成する「認知症ライフパートナー検定試験」を実施する、一般社団法人日本認知症コミュニケーション協議会は、6月7日、「東日本大震災における介護問題と地域の役割〜高齢者の生活環境と認知症ケア〜」と題したシンポジウムを開催した。

被災地では今もなお、仮設住宅や生まれ育った地域を離れて暮らす高齢者が多くいる。そうした避難先では、環境の変化から身体機能の低下や認知症を発症するケースもあるという。

シンポジウムでは、まず、認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長の長谷川和夫氏が登壇し、東日本大震災における認知症ケアのあり方についてわかりやすく説明を行った。

長谷川氏は、認知症介護研究・研修東京センターが作成し、震災直後の3月18日に公開した「避難所でがんばっている認知症の人・家族等への支援ガイド」を紹介。

これは、下記の8項目で構成されている。


1)ざわめき・雑音のストレスから守る工夫を
2)一呼吸でいい、ペースを落として、ゆったり少しずつ
3)本人なりに見当がつくよう、本人に情報を
4)飲食、排泄、睡眠の確保を
5)少しでも本人にとって「心地よい刺激」を
6)体を動かそう
7)落ち着かない場合、抑えるのではなく、慌てずに本人にそった対応を
8)本人を見守る家族や介護職員が解放される時間の確保を

1)のざわめきや雑音のストレスから守る工夫というのは、奥まったスペースを確保したり、出入り口についたてをするといったこと。また、2)の本人に情報を伝える際は、短い文章で話すことが大事など、説明を加えた。

東日本大震災時の話をふまえて、講演の最後には、認知症ケア全般に共通する「環境」と「技法」に言及。

認知症ケアの環境で大切なこと
・ ゆっくりした時の流れ
・ 小規模の環境と馴染みの人
・ 安心できる居場所と役割

認知症ケアの技法として大切なこと
・ 寄り添う心と絆
・ 聴くことを第一に、待つこと
・ 目を見て話すこと
・ 明るく楽しい気分を大切に

長谷川氏は、「認知症の方は理詰めの話が苦手です。それは、左の脳が侵されることが多いから。相対的に右の脳が活発化するので、リラックスして楽しいことをするのが大事」と、感覚を司る右脳に訴えるようなコミュニケーションを心がけてほしいと伝えた。

――シンポジウム(2)へ続く

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