自然災害だけではなく、介護災害もある――シンポジウム(3)

6月7日に開催された日本認知症コミュニケーション協議会の主催の「東日本大震災における介護問題と地域の役割〜高齢者の生活環境と認知症ケア〜」では、後半に、「東日本大震災から1年、災害現場からの報告と提言」と題したシンポジウムが行われ、3人の演者が登壇した。

このうち、高齢者総合ケアセンターこぶし園の総合施設長であり、認定NPO法人災害福祉広域支援ネットワーク・サンダーバードの代表理事である小山剛氏は、「自然災害と介護災害」というテーマで講演。

サンダーバードでは、東日本大震災直後から被災地に入り、現在でも仮設住宅サポートセンターへの支援を継続している。そのなかで大前提としているのは、「地域と人を知っている人が介護を行う」ということ。たとえば、被災地に導入している「移動サポートセンターシステム」は、移動型の要援護者支援の拠点として、外部からの支援者の生活を支える拠点の役割を持つとともに、地域の福祉従事者を各避難所に送り届け、その支援をサポートする役割を担ってきたという。

講演の途中、小山氏は、2枚の写真を並べて紹介した。それは、避難所を写したもので、左側の写真は体育館にシートを敷いて、住民達が集まっている様子。「東日本大震災ではプライバシーが考慮されるようになったんです」と紹介した右の写真では、同じように体育館に人々が集まっているものの、世帯ごとにパーテーションで仕切られていた。
「このように“ユニット”にしてあれば、体育館に住みたいですか? 住みたくないですよね」。小山氏は、「介護施設も同じ」と言う。

「災害は自然災害だけではないんです。介護状態で、これまでの生活ができなくなるということは“介護災害”」
「自然災害の場合は、必ず元に戻します。体育館に避難していた人は、元の生活に戻っていきますよね。でも、介護災害の場合はどうですか? 元の生活に戻れないんです」

そして、「福祉関係者は抱え込む救済には慣れていますが、自立生活を支える視点に欠けています」と、施設側、福祉関係者に意識転換を求めた。

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