神戸市は、6月1日、要介護者・要支援者に対する人格尊重義務違反があったとして、介護付有料老人ホーム「はぴね神戸学園都市」に対し、指定の一部を効力停止処分にすると発表した。これにより、同事業者は、6ヵ月間の新規の受け入れができなくなる。また、6ヵ月間にわたり、介護報酬請求が上限の8割(報酬の20%減額)となる。処分は同日付。
はぴね神戸学園都市では、2012年1月、元職員が入居者に身体的・心理的虐待、介護放棄を行っていたことが発覚。神戸市は、事業者の立ち入り検査、聴聞を行った結果、虐待の事実を認定、今回の処分となった。元職員2名は暴行罪で起訴され、現在公判中。
【事業者の概要】
■事業者名:はぴね神戸学園都市
■所在地:神戸市西区学園西町1丁目1番2号
■運営法人:株式会社ケア・リンク(本社 東京都中央区京橋2丁目17番3号)
■サービス種別:(介護予防)特定施設入居者生活介護(介護付有料老人ホーム)
■施設入居定員:138人(128室)
【処分の理由】
・要介護者に対する人格尊重義務および要支援者に対する人格尊重義務違反
・入居者に対する虐待
2011年1月に8階の入居者が車椅子からずり落ちる様子を撮影、及び入所者の車椅子の前輪を持ち上げた。
2012年1月に3名の職員が入居者に対して身体的・心理的虐待、介護放棄を行っていた。
・高齢者虐待の防止に関する研修の未実施
2009年2月の開設以降2012年2月までの3年間、職員に対して高齢者の虐待に関する研修を実施していない。
・虐待の恐れがある事例の神戸市への報告義務違反
2011年1月の、8階の入居者対する虐待事例を神戸市に報告していなかった。
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