関東信越厚生局は、5月23日、関東信越地方社会保険医療協議会に「保険医療機関の指定の取り消し」について諮問した結果を受け、茨城県坂東市の医療法人清風会ホスピタル坂東の保健医療機関の指定を取り消すと発表した。
同病院は、勤務実態と異なる虚偽の看護要員の施設基準の届出を行い、入院基本料など650万6644円を不正に請求していた。処分は8月1日付けで、以降5年間健康保険が使用できなくなる。
ホスピタル坂東は1962年に開設し、内科・外科・精神科など16科470床がある総合病院。地域医療で大きな役割を担い、認知症を外来治療するほか、認知症BPSD、認知症身体合併症の入院治療も行う。
同病院は、経営権の譲渡先を探すなど継続を模索しているが、地域の中核病院として認知症患者にとっての影響も懸念される。
【処分対象の保険医療機関】
■名称:ホスピタル坂東
■所在地:茨城県坂東市沓掛411
■開設者 医療法人清風会 理事長 田中 敦子
【指定取り消しの理由】
・2005年10月から2006年3月まで、看護師比率が20%未満であり、施設基準を満たしていないにもかかわらず、療養病棟入院基本料1を請求した。
・2004年8月から2006年3月までの各月において、看護職員配置数不足、看護師比率20%未満、看護補助者数不足により施設基準を満たしていないにもかかわらず、精神病棟入院基本料6および看護補助加算を請求していた。
・入院基本料を満たさない場合算定できない療養病棟療養環境加算、栄養管理実施加算、理学療法I・作業療法Iについて、不正に請求していた。
【監査において確認した不正請求件数および金額】
・件 数 89件(患者17名)
・不正請求額 650万6644円(最終的な不正の件数および金額は精査中)
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