社団法人日本健康機構は、腰痛や肩こりなどの痛みを解消する「筋緩消法」を科学的に立証することに成功し、そのことを示す論文「筋緩消法が腰背部筋緊張および腰痛に及ぼす影響」を発表した。
筋緩消法は、同機構の坂戸孝志理事長が開発したもの。なお、腰痛の解消を科学的に立証した研究は世界初とのこと。
■筋緩消法の考え方
一般的に、腰痛の悩みを抱える多くは、“骨格”のゆがみを圧迫や牽引によって矯正し痛みを和らげようと、接骨院などで施術を受けている。
一方、「筋緩消法」は、筋肉の過度な緊張状態を軽減することにより、痛みを解消しようという方法であり、筋肉内の老廃物が正常に排出されないために腰痛が生じるという考えに基づくもの。
つまり、腰の筋肉が過度に緊張することによって筋肉内の血管が圧迫され、老廃物の排出が妨げられ、それが筋肉のさらなる緊張を生み出し、痛みにつながっているという考えだ。
論文では、この筋緩消法を科学的に立証し、万人に適用可能で、かつ効果が期待できる施術法であることを証明している。
■筋緩消法の方法
筋緩消法では、立ったまま施術を受ける。
今回の試験ではまず、施術者のおやゆびを被施術者の右側の背部に、人差し指から小指を腹側の施術箇所に当て、被施術者に側屈運動をさせた。
続けてこの方法で、背側筋群や腹側筋群を緊張状態(収縮状態)にしたり、弛緩状態にしたりしながら、腰背部の筋肉の狭い範囲に圧力をかけることで、腰部筋肉の過緊張を軽減した。
■結果
こうした施術を10分行い、被施術者の右側背部3箇所を測定箇所として、筋肉の硬さを検証したところ、すべての測定箇所で腰部の筋肉が施術により柔らかくなり、筋緩消法が腰部の筋緊張を解す作用があることが客観的に証明された。
施術後の被施術者の主観的反応においても、測定7項目すべてにおいて有意な改善が認めらたという。特に「体の動きやすさ」「体の軽やかさ」においては、それぞれ施術前比100%以上の改善が見られた。「腰の痛み」に関する項目においても、施術前3.0点から施術後4.4点へと、施術前比47.7%の有意な改善を示した。
■関連記事
・高齢者の骨折・膝痛・腰痛、5年以内に大規模調査へ−厚労省
・腰痛に悩む介護職にも「オムロン クッションマッサージャHM-341」発売