厚生労働省は、第3回「未届の有料老人ホームに対する指導状況等におけるフォローアップ調査」の結果を発表した。
同調査は、届出が義務付けられているにもかかわらず行っていない施設の、届出や指導の状況いついて、都道府県からの報告内容をまとめたもの。
同調査によると、未届の有料老人ホームの数は6,985件中259件で、前回の調査から11件増加し、届出手続きが進んでいない実態を明らかにした。
入居者処遇などにかかわる指導については、未届有料老人ホーム226件中、82件に対して指導を行っている。指導の主な事例としては、一部屋に複数で生活しているため、個室化などのプライバシーを確保すること、生活に必要な居室スペースを確保すること、廊下が狭いため車椅子の移動に支障がないように改善すること、行動制限は緊急やむを得ない場合に限定し、その記録を保存すること、入居一時金の保全措置を講じること、夜間でも緊急時に対応可能な体制を確保することなど。
また、2006年以降に設置された有料老人ホームについて課せられている前払金の保全措置が講じられていない事業所が相当数いるという指摘があり、それについても調査を行った。その結果、前払金を徴収している事例が1,165件あり、このうち保全措置が講じられていない事業所は231件にのぼった。
調査結果から、5月17日付で各都道府県、指定都市、中核市に対して、取り組みの徹底を通達し、取り組みを行わない悪質な事業所に対しては、罰則適用を視野に入れた指導の徹底を要請した。
今後については、今年10月にも、同様の調査を実施する予定だという。
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