総務省は4月17日、日本の人口推計を公表した。2011年10月1日時点の総人口は1億2,779万9千人で、前年より25万9千人減った。一方、65歳以上が占める人口割合は23.3%と過去最高となり、深刻化する高齢化問題が浮き彫りとなった。
今回、人口がこれほど大きな落ち込み方をした要因には、これまでの少子化や高齢化という問題に加え、東日本大震災や原発事故が大きく関係している。都道府県別では、福島県、岩手県の人口減少が大きく、震災の影響が顕著に表れている。また、日本からの外国人離れも大きく響いている。特に、外国人を“働き手”として期待している企業にとって、影響はかなり深刻だ。
総務省が発表した人口推計のおもな結果は下記の通り。
1)総人口は前年に比べ25万9千人の減少、日本人人口も大きく減少
総人口は1億2,779万9千人となり、前年に比べ25万9千人(0.20%)と大きく減少している。日本人人口は1億2,618万人となり、前年に比べ20万2千人(0.16%)と大きく減少している。また、総人口を男女別にみると、男性は14万4千人(0.23%)減少、女性は11万5千人(0.17%)減少している。 これは、男性は7年連続,女性は3年連続の自然減少となった。男女別にみると、男性は7年連続、女性は3年連続の自然減少となっている。
2)外国人は3年連続の社会減少、過去最大の減少幅
社会増減を日本人・外国人の別にみると、日本人は2万8千人、外国人は5万1千人の社会減少となっている。外国人は3年連続の社会減少となっており、過去最大の減少幅となっている。
3)人口減少率は福島県が1.93%で過去最高
人口増減率を都道府県別にみると、増加は7都県となっており、沖縄県(0.59%)が最も高く、次いで東京都(0.28%)、滋賀県(0.19%)などとなっている。この7都県のうち、前年に比べ増加率が上昇したのは沖縄県及び滋賀県となっており、4都県は低下、愛知県は減少から増加に転じている。
一方、減少は40道府県となっており、福島県(-1.93%)が最も低く、岩手県(-1.21%)、秋田県(-1.03%)が1%を超える減少率となっている。福島県の減少率は,都道府県別人口減少率としては過去最高となっている。この40道府県のうち、30道府県では前年に比べ減少の傾向が強まり,佐賀県は変わらず、5県は減少の傾向が弱まり、千葉県,大阪府など4府県は増加から減少に転じている。
4)24道県で75歳以上人口が年少人口を上回る
年少人口(0〜14歳)の割合が最も高いのは沖縄県(17.7%)となっている。生産年齢人口(15〜64歳)の割合が最も高いのは東京都(68.1%)。老年人口(65歳以上)は、沖縄県を除く46都道府県で年少人口を上回っている。75歳以上人口は、24道県で年少人口を上回っている。
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