大宮浩一監督の最新ドキュメンタリー映画『季節、めぐり それぞれの居場所』が、5月11日までポレポレ東中野にて公開されている。
登場するのは、老舗の福祉施設、若者が立ち上げた宅老所、雪が舞う北の地で続くデイサービス、東日本大震災直後の介護付有料老人ホーム、真夏の被災地ではじまった寄り合いサロン。
大宮浩一監督は、2010年公開の『ただいま それぞれの居場所』でも、理想の介護を実現するために施設を立ち上げる若者たちの姿を追い、文部科学省特選・平成22年度文化庁映画賞 文化記録映画大賞受賞作品に選ばれた。今回も、利用者とスタッフ双方が老いや死と向き合い、それぞれの居場所を見つめていく姿を描き出していく。
期せずして製作途中で東日本大震災が発生。前作の巡回上映で知り合った岩手県宮古市鍬ケ崎地区の施設長を13日目に訪ねると、津波で居場所を失ったお年寄りに声をかける姿があった。ストトン節の宅老所代表は真夏の宮城県石巻に出かけ、寄り合いサロンづくりに奔走した。
ナレーションは一切なし。映像と生の声だけでそれぞれの人生の断面を鮮やかに切り取っていく。大阪、名古屋は6月に、横浜は初夏に公開が決まっており、その他全国で順次公開予定。1時間22分。