長崎県は、4月13日、介護サービス事業のノアが運営する事業所「「ケアプランセンター光」「ヘルパーステーション光」「デイサービス光」の指定を5月1日から半年間停止すると発表した。
県監査指導課によると、3事業所は昨年1月から、介護保険法で定めた居宅サービス計画(ケアプラン)を作成しなかったり、不完全なまま介護サービスを提供したりしており、支援費など約160万円を不正に受給していた。県は保険者の市町に支援費の返還を求めるよう指導する。
主な利用者が入居していた高齢者専用賃貸住宅「ケアホーム光」の事務責任者は「2人いる介護支援専門員のうち1人の職務怠慢が原因。故意はなかったが、気付かなかった点は反省している。外部監査の導入などでチェック態勢を強化したい」と説明。ケアホーム光の入居者44人については「そのまま入居してもらう」と話した。
【事業所概要】
■事業者名:株式会社ノア
■事業者所在地:長崎県大村市木場1-994-1
■事業所名:
1)ケアプランセンター 光(2011年1月1日指定)
2)ヘルパーステーション 光 (2011年5月1日指定)
3)デイサービス 光(2011年5月1日指定)
■事業所所在地:同上
■サービス種別:
1)居宅介護支援事業所
2)訪問介護及び介護予防訪問介護
3)通所介護及び介護予防通所介護
■効力停止年月日:2012年5月1日〜10月31日(6ヶ月間)
【効力停止の理由】
1)ケアプランセンター 光
・開設当時から、ほぼ全員の利用者について、居宅サービス計画作成や変更に係わる一連の作業をほとんど行わないまま、サービス提供をサービス事業者に行わせていた。介護支援専門員は、適正に業務を行うべきことを認識していながらこのような行為を行っていた。
・介護支援専門員は、併設訪問介護事業所の訪問介護稼動記録がない場合も、サービス実績があったとして給付管理を行い、訪問介護事業所への利益誘導を図った。
・居宅介護支援費を減額して請求するべき場合も、故意に不正に請求したり、居宅サービス計画で位置付けた指定居宅サービス等のうち法定代理受領サービスに関する給付管理を適切に行っていないなどの行為が、開設時から継続的、意図的に行っていた。
2)ヘルパーステーション 光
・開設当初から、管理者及びサービス提供者が、併設高齢者専用賃貸住宅の介護業務を兼務し、専らその職務に従事しておらず、人員に関する基準を満たしていなかった。
・開設当時から、大半の利用者に対してサービス提供責任者が訪問介護計画を作成せず、利用者・家族に対する説明・同意等の手続きを行わないまま介護サービスを提供していた。管理者は、故意にこのような行為を行っていた。
・提供したサービス内容等の記録は2年間保存しなければならないにもかかわらず適切に管理されず、大量の訪問介護稼動の欠落を認識しながら放置し、さらに、県の監査で記録漏れが発覚しないように、訪問介護に従事していない者に訪問介護稼動記録を作成させ、県へ提出させた虚偽報告を行った。
・介護支援専門員がサービス提供月の翌月、法定代理受領サービスに該当するように指定訪問介護をサービス提供票に追加し、これに対応する訪問介護稼動記録を追加作成して介護サービス費を請求し受領していた不正に当たる。
3)デイサービス 光
・居宅サービス計画での位置付けを確認することなく、実際の利用を優先して、後から通所介護計画を作成し、利用者同意も得ず、全員について交付もしておらず、基準で定めた一定の作業を全く行っていなかった。この状況は、2011年5月の開設当初から監査を行った同年11月まで継続的に行われていた。
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