厚生労働省は3月30日、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の品質などについて、医療関係者からの疑問に答えるQA集をホームページ上で公開した。
ジェネリック医薬品は認知度こそ高まったが、まだまだ国が想定する割合までの普及には至っていない。
その理由のひとつに、薬を処方する医師の側にジェネリック医薬品に対するぬぐいがたい不信感があると見られている。また、実際にジェネリックを処方しようとして、患者の側から「本当に効くのか」など、値段が安いことに対する不安を訴えられることにもあるようだ。今回はこのような「処方する側の不安」を払拭するための材料ともなっている。
公開されている質問は全部で11問。主なものを紹介すると、
■世界で最も進んでいるといわれる日本の医療の中で、どうしてわざわざジェネリック医薬品を普及させる必要があるのか。
■薬局で、先発医薬品の銘柄が記載された処方せん(変更不可欄に「レ」または「×」の印等の無いもの)をジェネリック医薬品に変更し、その薬を服用した患者に副作用が発生した場合は、誰が責任を負うのか。
■ジェネリック医薬品の原薬は海外の粗悪なものを使っているのではないか。
■ジェネリック医薬品メーカーは、先発医薬品メーカーと比べて1社あたりの製造販売品目が多いので、各品目に対する品質管理が不十分になるのではないか。
■厚生労働省は、なぜ一般名処方を推進するのか。
などがある。
医療関係者向けだけあって、回答の多くは専門的で統計や出典元のリンクが貼られ、根拠を示すかたちとなっている。回答に興味のある人は、ぜひ一度、厚生労働省のホームページを閲覧してみてはどうだろうか。
◎後発医薬品(ジェネリック医薬品)の品質などについて〜医療関係者の皆様へ〜
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