東京都は、インドネシア及びフィリピンとの経済連携協定(EPA)に基づき来日した看護師・介護福祉士候補者に対し、合格までの全体像を見据えた支援を実施するとを発表した。
EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士候補者は、これまでに1300人以上が来日しているが、日本の国家試験に合格できずに帰国するケースが多い。このことは、日本での就職を夢見て来日した前途有望な若者、さらにその若者の受け入れを希望する日本の病院等にとって、大変な損失となっている。
そこで東京都は、EPA看護師候補者に対する国家試験の支援で高い実績を挙げている首都大学と共同で、既に教育を実施している様々な機関や受入れ病院・施設と連携しつつ、支援を行う。
支援の内容等は下記のとおり。
■看護師候補者に対する支援内容
(1)来日前教育
時期:24年9月開始予定
目的:EPAに基づく日本での看護師の業務に興味を持つ看護学生に対し、自国において、日本の文化や日本語への理解の増進を図ると共に、日本の医療・介護の現場を紹介し、具体的な目標を持って来日される候補者を増やす。
対象:インドネシア教育大学との連携を基盤に、同大学看護学科の学生を対象に実施。その後、EPAによる来日を希望するインドネシア国内の看護学生を対象に拡大を図る。
手法:首都大学東京とインドネシア教育大学の大学間協定を活用し、首都大学東京から遠隔教育(e-learning)等で、インドネシア教育大学に授業を提供する。その授業をアーカイブ化し、受講希望者がインターネット上で随時学習できるよう整備する。
内容:
1年目 日本事情、基礎日本語、日本の医療・看護
2年目 日本基礎看護、医療・看護の専門用語(初級)
3年目 日本看護師国家試験に向けた学習、看護学補完学習
(2)来日後教育※別紙参照
時期:24年5月開始
目的:来日中の外国人看護師候補者に対し、国家試験対策講座を開催し、より多くの合格者を出す。
対象:来日中のEPA看護師候補者
内容:対面授業を行うとともに、その授業をアーカイブ化し、時間・場所にとらわれずインターネット上で学習できるよう整備する。
■介護福祉士候補者に対する支援内容
時期:24年10月開始予定
目的:来日中の外国人介護福祉士候補者に対し、介護分野の専門的な日本語講座を開催し、国家試験受験レベルの日本語能力への向上を支援し、より多くの合格者を出す。
対象:来日中のEPA介護福祉士候補者
内容:対面授業を行うとともに、その授業をアーカイブ化し、時間・場所にとらわれずインターネット上で学習できるよう整備する。
なお、介護福祉士候補者に対する国家試験対策においても、関係機関と連携して検討していく(実施時期未定)。
■問合せ先:
【制度の概要について】
知事本局政策部政策課 TEL03-5388-2191
【実施内容について】
首都大学東京経営企画室 TEL03-5320-7081
◎参考資料「アジアと日本の将来を担う看護・介護人材の育成 EPA看護師、介護福祉士育成プロジェクト(全体図)」
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