東京都は、昨年9月に設置した「東京都認知症対策推進会議認知症ケアパス部会」において、医療や介護、保健、福祉、行政等、関係者間の情報共有の仕組みづくりについて検討を重ねてきた。そして3月22日、その検討結果を報告書に取りまとめたと発表した。
同報告書は各地域において、認知症疾患医療センター(※)や区市町村、医師会等関係機関が連携し、情報共有の仕組みづくりを進めるための手引として活用できる。
基本的考え方は、4月2日より運営が開始された都内10ヵ所の認知症疾患医療センターの設置を契機として、都内各地域において認知症に係る連携体制の構築を進めていくこととしており、そのためには、関係者が連携・協働するための情報共有の仕組みを構築していくことが必要となる。
また、異なる役割を持つ関係者が連携・協働するためには、具体的な情報共有ツールを各地域で作成し、活用していくことが有効であることから、情報共有ツールによる連携を支えるため、家族介護者や地域住民の認知症に対する理解促進など、総合的な取組も合わせて行っていくことも必要であるとした。
効果的に機能する情報共有ツールを作成するための視点としては、専門職間における専門的情報の共有と、本人や家族介護者も参画する生活を支える情報の共有、この2つの目標を達成することが重要であり、本人に関わる情報は本来本人のものという認識の下、本人の心情等に配慮をしつつ、本人や家族介護者が参画できることが望ましいとした。そして各地域における協議会等で、関係者それぞれが抱える課題などについて率直に情報交換を行い、相互理解を深めた上で、情報ツール作成に向けた検討を進めることが重要であるとした。
※認知症疾患医療センター:
地域における認知症疾患の保健医療水準の向上を図るため、保健医療・介護機関等と連携し、鑑別診断、急性期医療、専門医療相談等を実施するとともに、関係者への研修等を行う。平成24年4月運営開始予定。
なお、同報告書は都の公式サイト「とうきょう認知症ナビ」にも掲載予定。
◎DATA/40m3m100.pdf" target="_blank">東京都認知症対策推進会議 「認知症ケアパス部会報告書」概要版
◎DATA/40m3m101.pdf" target="_blank">「東京都認知症対策推進会議 認知症ケアパス部会報告書(本文)(PDF形式:1.8MB)」
◎DATA/40m3m102.pdf" target="_blank">参考資料:報告書
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