神奈川県は、通所介護事業所のお泊まりデイサービスについて、昨年11月に実態調査を行い、2月にまとめを発表した。
それによると、回答した1342事業所のうち、122事業所がお泊まりデイサービスを実施しており、17事業所では1年以上連泊している利用者がいた。宿泊形式については、個室35事業所、2人部屋28事業所で、その他が83事業所に上り、66事業所が「部屋が男女別ではない」と答えている。1泊の平均宿泊料は1,000円以下が最も多かった。
自由回答欄には18件の意見が寄せられており、「家族の急病、法要など、緊急時の対応のみに限定している」「緊急時に普段利用しなれていない施設に泊まるのは利用者の不安と混乱の素なので実施している」など、あくまでも緊急的措置であるとする回答が目立った。
また、「スタッフ人員配置などの問題から連泊は不可としている」「平均3名の利用者を職員1名でケアし、必ず20分に1回は安否確認を行っている」など、安全面への配慮がうかがえる回答もあった。とはいえ、緊急時に備える協力医療機関については、88事業所が「ない」と答えており、宿泊時には79事業所でヘルパーや看護師の資格を持たない職員が従事しているなどの現状が浮かび上がってきた。
お泊まりデイサービスは、介護保険事業の対象外で、国の法制基準はなく、事故報告の義務付けもない。新聞報道によると、県内で把握できている一例として、川崎市では2人に死亡事故が起き、横浜市でも2年間で心不全による死亡事故を含む9件の事故が起きているという。
■関連記事
デイサービスを大幅時間延長、宿泊も可能に!――部会傍聴レポ1
・都独自の「お泊りデイ」基準及び届出・公表制度施行決定!