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嗅覚検査でパーキンソン病における認知症発症を予測――東北大

東北大学大学院医学系研究科神経内科学分野の武田篤准教授、馬場徹医師らのグループは、このほど、嗅覚検査によってパーキンソン病における認知症発症を予測できるとする研究成果を発表した。

同グループは、これまでもパーキンソン病における嗅覚障害を研究テーマとして取り組んできたが、本研究により、重度嗅覚障害はパーキンソン病に伴う認知症の前駆症状であることを世界で初めて明らかにした。

【研究内容】
認知症を伴わないパーキンソン病患者44名を対象に「ＯＳＩＴ−Ｊ（オシット・ジェイ）」という匂い識別覚検査を行い、嗅覚検査によって将来の認知症発症を予測することができるかどうかを調べたところ、44名中10名が3年間の外来通院中に新たに認知症を発症したが、その全例が研究参加時に重度の嗅覚障害を伴っていた。また、重度の嗅覚障害を伴う患者では、パーキンソン病に特有な運動障害が軽度であっても脳萎縮および脳代謝異常が目立つことが明らかになった。

パーキンソン病では嗅覚に関連した脳領域に特に病変が出現しやすいことが以前から指摘されていたが、今回の研究結果から、重度の嗅覚障害を伴うパーキンソン病患者では、これらの脳病変が重度であるために認知症を発症しやすかったものと考えることができる。本研究によって嗅覚検査がパーキンソン病における認知症の予測に有用であることが示され、今後はパーキンソン病における認知症の早期診断・早期治療、予防が可能となり、予後の改善が計られるものと期待されている。

◎東北大学

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