栃木県は、足利市の介護老人保健施設「花みずき」を運営する医療法人栄城会に対し、入所者に介護サービスの提供を適切に行わなかったことなどを理由に、2月24日付けで効力停止の処分を行なった。
処分内容は、介護老人保健施設「花みずき」における許可の全部の効力を2012年3月8日から5月7日までの2か月間停止するというもの。同時に、「花みずき」の入所者を3月7日までにほかの介護老人保健施設などへ安全に移転させることを命じている。
県では、関連法人が運営する有料老人ホームの入居者や医療法人栄城会が運営する診療所の入院患者についても、3月7日までに移転させるよう指導。安足健康福祉センターに相談窓口を設置するなど、入所者に対して支援も行っていくという。
【介護老人保健施設の概要】
■開設者名:医療法人栄城会
■名称:介護老人保健施設「花みずき」
■所在地:足利市常見町2-10-1
■効力停止の理由:
・介護老人保健施設「花みずき」では、2011年10月17日に管理者が退任。管理者不在のもと、11月頃から資金不足によって電気料金や従業員の給与の支払いが遅延し、一部の従業員が退職。そのため、介護保健施設サービスが適切に提供されない状態になった。これは、介護保険法104条の「著しく不当な行為」に該当する。
・許可の全部の効力停止処分により、入所者への必要な居宅サービスが継続的に提供されるよう、他の介護老人保健施設の開設者などと連絡調整し、便宜の提供を適正に行う必要がある。開設者の理事長は2月10日までに花みずきの入所者を移転させる意思を表示をしたにも関わらず、入所者の移転が実行されなかった。