昨秋、小学館で文庫化され話題となった『看取りの医者』。昨年12月にはドラマ化され、今も静かな感動が広がっている。
著者は茨城県つくば市の訪問診療専門の開業医。患者には末期ガンや脳梗塞を患う人が多く、9年間で630人以上もの在宅死に立ち会ってきたという。本書では、終末期医療の訪問医が見届けた感動実話全9話が綴られている。あるときから、人間にとって本当に幸せな最期とは何か、常に考えるようになったという著者。数多くの「看取り」を続けてきた医師が問う「人にとって最もふさわしい最期の場所」とはどこなのか。
医師が経験してきたさまざまな「看取り」の実体験のなかから、誰もが在宅医療について考えてほしい一冊だ。
■書名:『看取りの医者』
■著者:平野国美
■目次:
第1話 核家族の老後
第2話 呆けたふりをする老母
第3話 在宅死を拒否する人々
第4話 さまよう入院患者
第5話 自宅で死ぬということ
第6話 無手勝流の開業医
第7話 女子中学生の一言
第8話 新しい形の「終の棲家」
第9話 自宅で死のうよ
■定価: 580円(税込)
■仕様:文庫/272ページ
■発行: 小学館
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