新薬の特許期間満了後に発売される、後発医薬品。「ジェネリック」という呼び方の方が馴染みがあるかもしれない。有効成分、分量、用法、、効能が同等であることが認められた医薬品であり、一番のメリットは安いということだ。
開発にかかる年数、投資額を大幅に抑えることができるため、ジェネリックの価格は、平均すると先発医薬品のおよそ半額。当然、患者にとっても、薬代が安くなるというメリットがある。特に、常に複数種類の薬を飲んでいるような高齢者にとっては、薬代が安くなるというメリットはより大きいのではないだろうか。
このジェネリックについて、国も、医療費抑制策の一つとして使用を促しているものの、いまだに使用割合は低いのが現状だ。
そこで厚生労働省は、このほど、「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子」をまとめ、中医協社会保険医療協議会で了承を得た。
ここで掲げられたのは、下記のような項目。
○薬局でのジェネリック促進策の一つとして定めていた「後発医薬品調剤体制加算」の要件を、処方せんベースではなく、数量ベースに変更し、20%以上、25%以上、30%以上と段階的な加算を設ける
○「後発医薬品への変更不可」という欄に、処方した医師の署名がない処方せんについては、薬局で剤形(カプセル、錠剤、顆粒剤など)や含量規格の違う後発医薬品を調剤することを認める
○医療機関や医師が保険診療を行う上で守るべき基本的なルールである「保健医療機関及び保険医療養担当規則等」に、「患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること」など、患者がジェネリックを選択しやすくするための対応に努めなければならないといった主旨を盛り込む
4月の診療報酬改定以降、病院を受診する際、あるいは薬局で薬をもらう際、「ジェネリックにしますか?」と聞かれる機会が増えるかもしれない。ジェネリックに変更することで、どのくらい価格が安くなるのか、また、普段飲んでいる薬とどう違うのか、あるいは違わないのか、一度説明を聞いてみるといいだろう。
■関連記事
・ジェネリック医薬品、認知度は7割だが使用経験は6割〜中医協
・認知症の薬代、生活習慣病より2000円高――民間調査