ジェネリック医薬品はなぜ安い?――第6回 都医学研都民講座(1)

財団法人東京都医学総合研究所は、1月27日、第6回 都医学研都民講座を開催した。テーマは、「ジェネリック医薬品とは何か?」。薬学の専門家で国立医薬品食品衛生研究所前所長、昭和薬科大学特任教授の西島正弘氏が講師を務め、ジェネリック医薬品(後発医薬品)について解説した。

新薬と比べて安価なジェネリック医薬品は、医療費削減につながるとして、2012年度までに数量シェアベース30%を政府目標としている。講演では、ジェネリック医薬品の定義と普及の必要性、ジェネリック医薬品の有効性や安全性を証明する同一性検査など、ジェネリック医薬品の正しい知識について説明された。主な内容を2回にわけてお伝えする。

■国民医療費の増大とジェネリック医薬品

増大する国民医療費をいかに抑えるかは、国の重要な施策のひとつ。2007年を例にとると日本の国民医療費は34兆円で、そのうち薬局調剤薬品費は5兆円。安価なジェネリック医薬品を使うことで、医療費の削減に寄与することができる。

日本におけるジェネリック医薬品の使用量は、2004年の市場シェアが数量ベースで約17%と、アメリカ56%、イギリス約49%、ドイツ約41%。と比べて極めて少ない。日本の医療機関でジェネリック医薬品がなかなか採用されていないのは、医師を中心に有効性や安全性への懸念があることが大きい。ジェネリック医薬品は有効性、安全性で新薬と基本的に変わらないが、製品についての情報が十分に医師に伝わっていないことが原因だ。効果的なプロモーションなどジェネリック医薬品メーカーの努力が期待される。

■ジェネリック医薬品と新薬の違い

医薬品は、医師が処方する医療用医薬品と、薬局で販売する一般用医薬品に分類され、医療用医薬品には新薬とジェネリック医薬品がある。ジェネリック医薬品は、新薬と効き目成分、含量、剤形、効能、効果、用法、用量は同じで、新薬の特許が切れた後(20〜25年後)に他の製薬メーカーが販売するので、新薬が先発品と言われるのに対し、ジェネリック医薬品は後発品とも言われる。

医薬品には、有効性成分の名前である一般名と、有効成分が同じでも会社ごとに異なる商品名がある。たとえば、一般名「ファモチジン」が、商品名では「ガスター」(先発品)「ファモガスト」(後発品)となる。欧米では、薬の処方は一般名(ジェネリック・ネーム)で行なっており、それがジェネリック医薬品の普及につながっていると言える。

■ジェネリック医薬品が安い理由

新薬の開発には、長い年月と莫大な費用がかかる。開発の期間は、新しい化合物が発見され、その化学的な性質の検討に2〜3年、非臨床試験(動物試験など)に3〜5年、臨床試験に3〜7年、承認申請の審査に1〜2年、トータルで9〜11年かかり、総費用は1200〜1900億円にものぼる。一方、ジェネリック医薬品は、使用経験や副作用情報もすでにあるので、開発期間は3〜5年、開発費は数千万円ですみ、薬価を安くすることができる。欧米ではジェネリック医薬品の価格はさらに安く、普及の要因となっている。日本でも、今後ジェネリック医薬品の価格はより安くなることが予想される。

――第6回 都医学研都民講座(2)へ続く

◎財団法人東京都医学総合研究所

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