ジェネリックは本当に信用できるのか――第6回 都医学研都民講座(2)

財団法人東京都医学総合研究所が1月27日に開催した、第6回 都医学研都民講座「ジェネリック医薬品とは何か?」において、昭和薬科大学特任教授の西島正弘氏がジェネリック医薬品(後発医薬品)について解説した。ジェネリック医薬品の基本知識に続き、新薬と効き目や安全性に差がないことがどのように証明されているか、ジェネリック医薬品の使用を促進するための取り組みについて語った。

■ジェネリック医薬品に臨床試験が不要な理由

ジェネリック医薬品が新薬と同じであることを確認するのが「同一性調査」。調査には、錠剤やカプセルなどの性質に差がないことを示す規格および試験方法に関する資料、温度45℃・湿度75%の条件下での安定性試験に関する資料、飲んだ時に効き目が同じであることを示す生物学的同等性試験の資料が必要になる。

医薬品の効果・作用は、作用を示す部位での薬物の濃度に依存するので、同じ成分を含む医薬品で、作用を示す部位での薬物濃度が同じなら、有効性・安全性も同じということになる。これを「生物学的同等性」と言う。生物学的同等性の試験は、健康成人に新薬品とジェネリック医薬品を交互に投与し、血中濃度の変化を調べることで行われる。血中濃度の変化に差がなければジェネリック医薬品の品質、安全性、有効性は証明され、臨床試験の必要はないというのが世界共通の考え方だ。

また、古くに承認されたジェネリック医薬品の有効性や安全性を証明するため、溶出試験による品質再評価を行なっている。経口投与の固形薬は、成分の溶け出る速度に依存して血中濃度の時間推移が見られるので、試験管などの中で溶けやすさを調べることで有効性を評価することができる。溶けていく速さと血中濃度の推移がパラレルであれば、生産されたロット間の生物学的同等性が保証されることになる。

■ジェネリック医薬品の普及のための取り組み

ジェネリック医薬品は、昔はゾロ品と呼ばれるなど確かに品質が劣るものがあったが、今はきちんとした審査がなされて安全性が確認されている。しかし、依然として懸念が解消されず、使用量は思うように増えていない。医療現場からの声として、「発注から納品まで時間がかかる」というものがあり、これについては、メーカーが納品までの期間を短縮し、在庫の確保を行なうよう、指導を行っている。また、「一部の後発品では溶質性や血中濃度が先発品と異なるのではないか」という品質についての懸念には、ジェネリック医薬品の品質についての試験検査の実施、結果の公表をすることで応えようとしている。

また、国立医薬品食品衛生研究所に「後発品医薬品品質情報検討会」を設置し、ジェネリック医薬品の品質に関する研究論文を収集整理するほか、相談窓口に寄せられた意見を集めて精査し、問題があるかどうかをチェックする体制も整えている。

2008年度から処方箋の様式が変わり、ジェネリック医薬品への変更不可の欄に医師のサインがなければ、薬剤師はどの薬を出しても構わない「代替調剤」が可能になった。薬剤師は自分の判断と患者との意見交換でジェネリック医薬品を選択できる。普及には薬剤師の役割も重要だ。

◎財団法人東京都医学総合研究所

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