大日本住友製薬株式会社は、他社の薬剤と名称が似ているために起こっていた医療事故を防止するための対策の一環として、高血圧症・狭心症・不整脈/本態性振戦(ふるえだけが生じる病気)の治療剤「アルマール錠 5/錠 10」(一般名:アロチノロール塩酸塩)の販売名を、『アロチノロール塩酸塩錠 5mg「DSP」/錠 10mg「DSP」』に変更した。同社は、販売名変更代替新規申請を行い、2012 年 1 月 12 日付けで製造販売承認を取得した。
新しい名前では、末尾に「Dainippon Sumitomo Pharma(大日本住友製薬)」の略称である「DSP」を加え、わかりやすいように工夫した。
「アルマール」は、これまで、サノフィ・アベンティス株式会社が販売する経口血糖降下剤「アマリール」と名前が似ているため、医師や薬剤師が薬を取り違える事故が後を絶たず、重篤な医療事故事例やヒヤリ・ハット事例が公表されていた。
そのため、同社は、医療事故を防止するために、注意喚起文書を配布したり、PTP シート(錠剤やカプセルなどを1錠ずつ、薄い金属とプラスチックで包装したシート)のデザインを変更するなど、対策を講じてきたものの、さらなる対策として、販売名の変更にふみ切った。