東京都は1月19日、都内インフルエンザ定点医療機関からの第2週(1月9日〜1月15日)の患者報告数が、流行開始の目安となる1医療機関あたり1.0人を超えたため、インフルエンザが流行を開始したと発表した。今後、本格的な流行が予想されるため、感染予防に心がけるよう呼びかけている。全国的には、すでに昨12月16日、厚生労働省が流行宣言を行っている。
■発生状況:
・都内419インフルエンザ定点医療機関からの報告による第2週(1月9日〜15日)の患者報告数は3.22人/定点。
・昨年第36週(9月5日)以降、インフルエンザ様疾患により集団感染が発生した施設は1月15日までに27か所。21検体の遺伝子検査を実施した結果、AH3亜型(A香港型)が16件(76.2%)、B型が2件(9.5%)検出、陰性が3件(14.3%)だった。
■東京都の対策:
東京都は、今秋冬のインフルエンザ流行に向け、流行状況等の迅速な把握、感染予防の周知徹底などの対策を実施している。
■個人でできる予防対策:
・こまめな手洗いを心がける。
・室内の適度な加湿(概ね相対湿度40%以上)・換気を行う。
・規則正しい生活を送り、休養を十分に取る。
・バランスのとれた食事と適切な水分の補給に気をつける。
・必要な時以外は人混みを避ける。
・ワクチン接種について、かかりつけ医等と相談する。
・ 自分の体調の変化に気を配る。特に、高齢者や基礎疾患を有する人などは、体調不良(発熱など)時にスムーズに連絡・相談ができるよう、かかりつけ医等と事前に相談しておく。
■咳エチケットによる感染拡大防止:
・せき・くしゃみの症状がある時はマスクを装着。
・せき・くしゃみをする時は口と鼻をティッシュで覆う。
・せき・くしゃみをする時は周りの人から顔をそらす。
■社会福祉施設等における対策:
(1) 日常管理
・利用者の健康状態を定期的にチェックし、感染症が発生した場合に備えて、事前に施設内の連絡体制、医療機関等の連絡先等を決めておく。これらは文書として確認しておくことが望まれる。
・集団内でのインフルエンザのまん延を防止するため、インフルエンザワクチンの接種について、かかりつけ医等と相談する。なお、高齢者等では予防接種法に基づく接種が可能。
・室温、湿度等環境管理に留意する。
(2) 患者発生時
・利用者の健康状態をきめ細かく把握する。訴えが少ない者については、毎日の検温等により健康状態をよく把握する。
・利用者・職員に、手洗いや手指の消毒の励行を呼びかける。手洗い、手指の消毒は、看護、介護等の前後、鼻をかんだ後等には必ず行なう。
・インフルエンザの疑いがある場合には、早めに受診することが重要。特に妊婦や呼吸器疾患、心疾患、糖尿病、腎不全等の慢性疾患を有する人等が罹患した場合には、重篤化する場合があるので、注意深い観察が必要。また、感染拡大防止のための対応(食堂、作業療法室の一時的な使用停止や、症状のある人とない人の居室の分離等)を、可能な範囲で早期に講じる。