昨年はアリセプト以外のアルツハイマー症治療薬が複数発売されるなど、認知症の利用者にとって福音となる年だった。
同時にこの年は、エーザイが持つアルツハイマー型認知症薬「アリセプト」(一般名:ドネペジル塩酸塩)の軽度、中度のアルツハイマー型認知症用途の特許が終了した年でもあった(2011年6月)。
そこで製薬各社は続々、ドネペジル塩酸塩のジェネリック品を発売している。2011年11月23日に厚生労働省の「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品(新規収載分)」に収載された主なものは以下のとおり。
●ドネペジル塩酸塩「アメル」共和薬品工業
●ドネペジル塩酸塩「NP」ニプロファーマ
●ドネペジル塩酸塩「FFP」富士フイルムファーマ
●ドネペジル塩酸塩「オーハラ」大原薬品工業
●ドネペジル塩酸塩「科研」シオノケミカル
●ドネペジル塩酸塩「杏林」キョーリンリメディオ
●ドネペジル塩酸塩「KO」寿製薬
●ドネペジル塩酸塩「ケミファ」日本ケミファ
●ドネペジル塩酸塩「興和テバ」大正薬品工業
●ドネペジル塩酸塩「サワイ」沢井製薬
●ドネペジル塩酸塩「サンド」サンド
●ドネペジル塩酸塩「JG」日本ジェネリック
●ドネペジル塩酸塩「ZE」全星薬品工業
●ドネペジル塩酸塩「タイヨー」大洋薬品工業
●ドネペジル塩酸塩「タカタ」高田製薬
●ドネペジル塩酸塩「タナベ」田辺三菱製薬
●ドネペジル塩酸塩「DSEP」第一三共エスファ
●ドネペジル塩酸塩「DSP」大日本住友製薬
●ドネペジル塩酸塩「TSU」鶴原製薬
●ドネペジル塩酸塩「TCK」辰巳化学
●ドネペジル塩酸塩「トーワ」東和薬品
●ドネペジル塩酸塩「日医工」日医工
●ドネペジル塩酸塩「日新」日新製薬
●ドネペジル塩酸塩「BMD」ビオメディクス
●ドネペジル塩酸塩「マイラン」マイラン製薬
●ドネペジル塩酸塩「明治」Meiji Seika ファルマ
●ドネペジル塩酸塩「モチダ」ダイト
●ドネペジル塩酸塩「YD」陽進堂
多くがOD錠(口腔内崩壊錠)3mg・5mgと通常の錠剤(3mg、5mg)を同時発売しているが、なかにはOD錠を持たないところ、3mg、5mgどちらかしかもたないところもある。
また、OD錠ではなくODフィルムを持つところ(救急薬品工業)、細粒を持つところもある(協和薬品工業、沢井製薬、日医工)。
薬価は、通常の錠剤、OD錠、ODフィルムとも共通で、以下のとおり。
●3mg 1錠 190.80円
●5mg 1錠 284.80円
●細粒0.5% 269.70円
なお、「アリセプト」を販売するエーザイでは、昨年、高度アルツハイマー型認知症に関わる特許権の存続期間延長の申し立てを行っており、こちらに関しては2013年6月22日まで特許権が延長され、それまで後発薬を出せなくなっている。
◎厚生労働省「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品(新規収載分)」
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