森永製菓株式会社は、1998年より「ココア」の機能性について研究を重ねており、これまでインフルエンザウイルス感染抑制効果、O157などの病原性細菌に対する抗菌・殺菌効果、抗ヘリコバクターピロリ菌効果、歯周病予防効果など、様々な効能を確認してきた。
同社は今回、これまでの研究に基づいて、さらに冷え性を抑制する食品として代表的な「ショウガ」と「ココア」を比較し、11人の冷え性と判断された健常な女性を対象とし、これらの食品の冷え性を抑制する効果を検証した。
その結果、室温23〜24℃(何もしない状態では体末梢部温度が次第に下がる温度)において、飲用後手の甲表面温度(体末梢部)では「ショウガ」の方が温度上昇の立ち上がりが速く、上昇程度が高いものの、急速に温度低下が始まるのに対し、「ココア」の方が温度の低下が緩やかで体温の持続性が高いことを確認した。これにより、「ココア」と「ショウガ」はその冷え性抑制効果の表れ方に違いはあるものの、同じように冷え性を抑制する食品であることが分かった。
なお、冷えを感じる女性の多くは、体抹消部(手や足の先)の冷えを多く訴えるとされている。
また、首・額・頬では「ココア」も「ショウガ」も、それぞれ温度上昇に大きな差はなく、「ココア」には「ショウガ」と同等程度の冷え性抑制効果があることを確認した。
「ココア」がゆっくりと長く冷えを抑制する効果に対して、食品の持つ温冷作用研究の第一人者である滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科の灘本知憲教授は「副交感神経の亢進作用と血管拡張作用のあるココアならではの効果と考えられる」と見解を示した。
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